「D」

記事数:(7)

医療

カルテの繰り返し記号:do

医療や福祉の現場では、利用者の方々の状態や行った支援内容を細かく記録することが欠かせません。これは、利用者の方々にとって適切なサービスを提供するためにとても大切なことです。しかし、毎回全ての情報を最初から書き記すのは、非常に時間と手間がかかります。限られた時間の中で、記録作業に追われてしまうと、利用者の方々に向き合う時間が少なくなってしまいます。そこで、記録を簡単にする工夫の一つとして、「同前」という記号が使われます。 「同前」とは、前の記述と同じ内容であることを示す言葉です。例えば、体温や脈拍、血圧など、変化のない項目を繰り返し記録する場合に、「同前」と書くことで簡潔に記録できます。食事の内容や排泄の状態、入浴や着替えの介助など、毎日同じように行われるケアについても、「同前」を有効に活用できます。 「同前」を使うことで、記録にかかる時間を大幅に短縮できます。浮いた時間を利用者の方々とのコミュニケーションやケアに充てることができます。また、記録用紙の記述量も減り、必要な情報を素早く見つけやすくなります。過去の記録を振り返る際にも、簡潔にまとまっていると、変化に気づきやすくなるという利点もあります。 ただし、「同前」を使う際には注意が必要です。前の内容と少しでも異なる場合は、必ず具体的な数値や状況を記録しなければなりません。安易に「同前」を使いすぎると、重要な情報が見落とされる可能性があります。記録の正確さを保ちながら、効率的に行うためには、「同前」を適切に使うことが大切です。利用者の方々の状態を正しく把握し、より良いサービスを提供するために、記録の簡略化は重要な役割を果たしています。
その他

認知症介護とDV

高齢化が進むにつれて、認知症を抱えるお年寄りの数が増え、社会問題となっています。それに伴い、家庭内での認知症のお年寄りに対する虐待、特に家族によるものが目立つようになっています。このような状況の中、夫婦間などの暴力、つまり家庭内暴力と認知症の介護との関係について、深く理解する必要性が高まっています。 認知症は、単に物忘れをするだけでなく、判断力が弱まったり、性格が変わったりすることもあります。これらの変化は、介護をする家族にとって、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。そして、この負担が、介護をする人が家庭内暴力を起こす危険性を高める可能性があると言われています。 家庭内暴力には、殴る蹴るなどの身体的な暴力だけでなく、厳しい言葉や無視、お金の使い方を制限するといった経済的な支配も含まれます。認知症のお年寄りは、これらの虐待に抵抗したり、誰かに助けを求めたりすることが難しい場合が多く、深刻な状況に陥ってしまう危険性があります。 家庭内暴力は、見逃されがちです。認知症のお年寄りは、自分の状況をうまく説明できなかったり、怖くて言い出せなかったりすることがあります。また、家族も、介護の大変さから、つい声を荒げてしまったり、暴力を振るってしまったりすることを、周りの人に打ち明けられない場合もあります。 そのため、認知症の介護における家庭内暴力の現状を正しく理解し、防ぐための対策や、困っている家族を助けるための対策をきちんと行うことが大切です。地域社会全体で、認知症のお年寄りとその家族を支える仕組み作りが求められています。
通所による介護

通所介護をもっと身近に:DS

通所介護とは、要介護状態にある高齢者の方々が、日帰りで施設に通い、様々なサービスを受けられる介護サービスです。通所介護はデイサービスとも呼ばれ、親しみを込めてデイサービスと呼ぶ方も多くいらっしゃいます。このサービスを利用することで、自宅で暮らし続けながら、必要な支援を受けることができます。 デイサービスでは、食事や入浴、排泄の介助といった日常生活のサポートはもちろんのこと、機能訓練やレクリエーションなども提供しています。機能訓練では、理学療法士や作業療法士などの専門スタッフの指導のもと、身体機能の維持・向上を目指した運動や訓練を行います。レクリエーション活動では、他の利用者の方々と交流したり、趣味を楽しんだりすることで、心身のリフレッシュや社会的な繋がりの維持を図ることができます。 デイサービスの利用は、高齢者の方々にとって様々なメリットがあります。身体機能の維持・向上だけでなく、認知症の予防にも繋がると言われています。また、日中、施設で過ごすことで、生活にハリが出て、孤独感を解消できる方も少なくありません。同時に、介護を担うご家族にとっては、日中の介護負担を軽減し、休息や自分の時間を持つことができるため、心身の健康維持に繋がります。 デイサービスを利用するためには、要介護認定を受けていることが必要です。介護の程度によって利用できる日数やサービス内容が変わるため、ケアマネージャーとよく相談し、自分に合ったケアプランを作成してもらうことが大切です。費用の面では、介護保険が適用されるため、自己負担は利用料金の一部となります。デイサービスは、単に介護を提供する場ではなく、高齢者の方々が地域社会と繋がり、生きがいを感じ、自分らしく生活できる場となることを目指しています。
医療

知って安心!糖尿病の基礎知識

糖尿病とは、血液中の糖分であるブドウ糖の濃度(血糖値)が高い状態が続く病気です。ブドウ糖は、私たちが活動するための大切なエネルギー源です。食事で摂った穀物や芋などに含まれる炭水化物が分解されてブドウ糖になり、血液によって全身に運ばれます。通常、食事をすると血糖値は一時的に上がりますが、すい臓から出るインスリンというホルモンのはたらきで、ブドウ糖は体中の細胞に取り込まれ、エネルギーとして使われたり、肝臓や筋肉に蓄えられたりします。こうして血糖値は適切な範囲に保たれます。しかし、糖尿病になると、インスリンの量が足りなかったり、インスリンのはたらきが悪かったりするため、血糖値をうまく下げることができなくなります。高い血糖値の状態が長く続くと、血管や神経が傷つけられ、様々な合併症を引き起こす危険性が高まります。 糖尿病は、大きく分けて四つの種類があります。一つ目は1型糖尿病です。これは、自分の免疫のはたらきによって、すい臓でインスリンを作る細胞が壊されてしまい、インスリンがほとんど作られなくなる病気です。子供や若い人に多く見られます。二つ目は2型糖尿病です。これは、加齢や肥満、運動不足、遺伝などが原因で、インスリンの量が少なくなったり、インスリンのはたらきが悪くなったりする病気です。糖尿病の多くがこのタイプです。三つ目は特定の原因による糖尿病です。遺伝子の異常や、すい臓の病気、ホルモンに関わる病気、薬などが原因で起こります。四つ目は妊娠糖尿病です。妊娠中に初めて見つかる糖の代謝の異常で、出産後に血糖値が正常に戻る場合が多いですが、将来糖尿病になる危険性が高いことが知られています。 糖尿病は初期には自覚症状がないことが多く、知らないうちに病気が進んでしまうことがあります。ですから、日ごろから健康診断を受けたり、血糖値を測ったりすることが大切です。早期発見、早期治療によって、合併症を防ぎ、健康な生活を送ることができます。
医療

点滴静脈注射:知っておくべき基礎知識

点滴静脈注射とは、静脈という血管に針を刺し、そこから管を通して薬液などの液体を体内に流し込む治療法です。血管に直接薬液を入れることで、薬の効果が早く現れ、必要な成分を速やかに補給することができます。注射のように一度に薬液を入れるのではなく、時間をかけてゆっくりと投与することで、薬の効果を持続させたり、副作用を抑えたりすることが可能です。 点滴静脈注射は、様々な場面で活用されています。手術中や入院中の患者さんに薬や栄養を補給するだけでなく、外来で抗生物質を投与する場合などにも用いられます。脱水症状の改善や、吐き気や下痢がひどい場合の水分補給にも役立ちます。患者さんの状態に合わせて、薬の種類や量、投与する速さなどが細かく調整されます。点滴中は、医師や看護師が患者さんの様子を注意深く観察し、安全に治療が行われるように配慮しています。 点滴中は、針が刺さっている部分や管が繋がっている部分を動かさないように安静を保つことが大切です。点滴が外れてしまうと、出血したり、薬液が漏れてしまったりする可能性があります。また、点滴部位に痛みや腫れ、赤みなどの症状が現れた場合は、すぐに看護師に知らせる必要があります。点滴治療について疑問や不安なことがあれば、遠慮なく医師や看護師に相談しましょう。安心して治療を受けるために、疑問や不安は解消しておくことが重要です。点滴静脈注射は、患者さんの健康を守る上で欠かせない大切な治療法の一つです。
医療

十二指腸潰瘍:知っておくべきDGの基礎知識

十二指腸潰瘍とは、胃のすぐ下にある十二指腸の壁にできる傷のことです。ちょうど胃から食べ物が送られてきて、胆汁や膵液などの消化液と混ざり合う場所にできます。この十二指腸の壁は、胃酸やペプシンなどの消化酵素の攻撃に常にさらされています。通常は粘膜がこれらの攻撃から壁を守っていますが、何らかの原因で防御機能が弱まると、粘膜が傷つけられ、炎症を起こし、潰瘍へと進行します。 主な症状はみぞおちの痛みです。この痛みは、空腹時や夜間、早朝に強く現れることが多く、食事を摂ったり、制酸薬を服用することで和らぐ傾向があります。これは、胃酸の分泌が活発になる時間帯と関連していると考えられています。また、吐き気や嘔吐、胸やけなどの症状が現れることもあります。症状の出方には個人差があり、全く症状が現れない場合もあります。 十二指腸潰瘍の原因として最も多いのは、ピロリ菌感染です。ピロリ菌は胃の粘膜に棲みつく細菌で、炎症を引き起こし、潰瘍の形成を促進します。その他、痛み止めなどの薬の常用、ストレス、喫煙、飲酒なども潰瘍のリスクを高める要因となります。バランスの取れた食事や十分な睡眠、適度な運動を心がけ、ストレスを溜め込まない生活習慣を維持することが大切です。 十二指腸潰瘍は適切な治療を行えば、多くは治癒します。ピロリ菌感染が確認された場合は、除菌療法を行います。また、胃酸の分泌を抑える薬や粘膜を保護する薬なども用いられます。症状が改善しても、自己判断で治療を中断せず、医師の指示に従って治療を続けることが重要です。放置すると、潰瘍が深く進行し、出血や穿孔(穴が開く)などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。少しでも気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。
通所による介護

通所サービスの基礎知識:デイケアとデイサービス

お年寄りの方が住み慣れた家で暮らし続けるためのお手伝いをするサービスとして、大きく分けて二つの種類の通所サービスがあります。一つは「通所リハビリテーション」、通称「デイケア」と呼ばれるものです。こちらは、医療保険を使ったサービスで、体の動きや心の働きを保ったり、良くしたりすることを目指しています。お医者さんの指示に基づき、体の動かし方を専門とする理学療法士や、日常生活での動作を専門とする作業療法士などが、一人ひとりに合った計画を立て、リハビリテーションを行います。 もう一つは「通所介護」、通称「デイサービス」です。こちらは介護保険を使ったサービスで、食事やお風呂、トイレのお手伝いといった日常生活の動作を支え、できることを維持したり、向上させたりすることを目指しています。また、体操や歌、ゲームなど、みんなで楽しめる催しを通して、心身ともに元気になってもらうことも目的としています。利用する方の状態や希望に合わせて、どちらのサービスが適しているかを選ぶことが大切です。 「DC」と書かれている場合は、「デイケア」または「通所リハビリテーション」を指す施設の表示です。デイケアとデイサービス、どちらのサービスも、お年寄りの方が自宅で暮らし続けられるように支え、地域社会とのつながりを保つために大切な役割を担っています。これらのサービスを利用することで、心身ともに気分転換になり、生活に張りが出てきます。さらに、介護をしているご家族の負担を軽くすることにもつながります。