カルテの繰り返し記号:do

介護を学びたい
先生、「同じ」という意味の『do』について教えてください。カルテに書かれていたのですが、どういう時に使うのですか?

介護の研究家
良い質問だね。『do』は、前の記録と同じ処置や状態が続いていることを示すときに使います。例えば、昨日の記録に「食事介助:全介助」と書いてあれば、今日の記録には「食事介助:do」と書くことで「今日も全介助だった」ということを簡潔に伝えられます。ちなみに、『do』は正式な医療用語ではなく、現場での略語として使われていることが多いんだよ。

介護を学びたい
なるほど。でも、「介護」と「介助」ってどちらも「助ける」という意味ですよね?違いがよくわからないのですが…

介護の研究家
そうだね、どちらも「助ける」意味だけど、対象とする範囲が違います。「介護」は食事や入浴、排泄など、生活全般の支援を指し、「介助」は特定の動作や行為を助けることを指します。例えば、食事の際に食べ物を口まで運ぶのは「食事介助」、食事の準備や後片付けも含めた一連の支援は「食事介護」となります。
doとは。
「介護」と「介助」で使われる用語「同上」(カルテの記入などで使われ、「同じ」や「繰り返し」を意味する言葉です)について
記録の簡略化

医療や福祉の現場では、利用者の方々の状態や行った支援内容を細かく記録することが欠かせません。これは、利用者の方々にとって適切なサービスを提供するためにとても大切なことです。しかし、毎回全ての情報を最初から書き記すのは、非常に時間と手間がかかります。限られた時間の中で、記録作業に追われてしまうと、利用者の方々に向き合う時間が少なくなってしまいます。そこで、記録を簡単にする工夫の一つとして、「同前」という記号が使われます。
「同前」とは、前の記述と同じ内容であることを示す言葉です。例えば、体温や脈拍、血圧など、変化のない項目を繰り返し記録する場合に、「同前」と書くことで簡潔に記録できます。食事の内容や排泄の状態、入浴や着替えの介助など、毎日同じように行われるケアについても、「同前」を有効に活用できます。
「同前」を使うことで、記録にかかる時間を大幅に短縮できます。浮いた時間を利用者の方々とのコミュニケーションやケアに充てることができます。また、記録用紙の記述量も減り、必要な情報を素早く見つけやすくなります。過去の記録を振り返る際にも、簡潔にまとまっていると、変化に気づきやすくなるという利点もあります。
ただし、「同前」を使う際には注意が必要です。前の内容と少しでも異なる場合は、必ず具体的な数値や状況を記録しなければなりません。安易に「同前」を使いすぎると、重要な情報が見落とされる可能性があります。記録の正確さを保ちながら、効率的に行うためには、「同前」を適切に使うことが大切です。利用者の方々の状態を正しく把握し、より良いサービスを提供するために、記録の簡略化は重要な役割を果たしています。
| メリット | デメリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 記録時間の短縮 利用者とのコミュニケーション時間の増加 記録用紙の記述量減少 情報検索の容易化 変化の把握の容易化 |
重要な情報の見落とし可能性 | 前の内容と少しでも異なる場合は、具体的な数値や状況を記録する |
使用上の注意点

利用者の状態を記録する際に、「同日」「前回と同じ」などを意味する「do」という記号を用いる際の注意点について説明します。doは簡潔に記録できる便利な記号ですが、使い方を誤ると、情報が曖昧になり、誤解や見落としにつながる可能性があります。 doを使用する際は、どの項目についてdoを適用しているのか明確にすることが重要です。 例えば、体温、脈拍、血圧などのバイタルサインを記録する場合、どの項目が前回と同じ値なのか、一つずつ丁寧に確認する必要があります。前の行のどの情報と対応しているかがはっきりとわからない場合は、doを使用せず、具体的な数値を記入するようにしましょう。
特に、利用者の状態が変化しやすい項目や、重要な観察事項については、doの使用は避けましょう。例えば、意識状態、呼吸状態、皮膚の状態、疼痛の有無など、変化しやすい項目については、具体的な状態を記録することが重要です。 また、転倒や誤嚥などの重大な出来事についても、doで済ませずに詳細な状況を記録する必要があります。複数の項目を一括りにdoで済ませるのも危険です。それぞれの項目ごとに状態が異なる場合、誤った解釈につながる恐れがあります。一つずつ丁寧に確認し、必要な情報がすべて記録されているかを確認しましょう。
doの使用頻度が多すぎると、記録全体の分かりやすさが低下し、重要な情報が見落とされる可能性があります。 簡潔に記録しようとdoを使いすぎるのではなく、doと具体的な記述をバランスよく使い分けることが大切です。利用者の状態を正確に把握し、適切なケアを提供するために、doは補助的に利用し、必要に応じて具体的な数値や状態を記録するように心がけましょう。
| doを使用する際の注意点 | 詳細 | 具体例 |
|---|---|---|
| 適用範囲の明確化 | どの項目にdoを適用しているか明確にする | 体温、脈拍、血圧など、各項目にdoを用いる場合は、どの値が前回と同じなのか明確にする |
| あいまいな場合の具体的な数値記入 | 前の行の情報との対応が不明確な場合は、doを使わず具体的な数値を記入する | 前回の記録との対応関係が不明な場合は、数値を改めて記入する |
| 変化しやすい項目・重要事項への使用回避 | 意識状態、呼吸状態、皮膚の状態、疼痛の有無、転倒、誤嚥など、変化しやすい項目や重要な観察事項にはdoを使用しない | 利用者の容態に変化があった場合は、詳細な状況を記録する |
| 複数項目への一括使用の禁止 | 複数の項目をまとめてdoで済ませない | 各項目の状態が異なる場合、誤った解釈につながるため、一つずつ確認する |
| 使用頻度の抑制 | doを使いすぎず、具体的な記述とバランスよく使用 | doの多用は記録全体の分かりやすさを低下させるため、補助的に使用 |
電子カルテへの影響

近ごろ、医療現場では、紙のカルテに代わり、電子カルテを使うところが多くなってきました。電子カルテは、患者さんの情報をコンピューターで管理する仕組みです。検査の結果や医師の診察内容などが記録され、必要なときにすぐに確認できます。この電子カルテには、過去の記録を簡単に複写できる機能があります。そのため、以前はよく使われていた「同日」や「同様」を意味する「do」という記号を使う機会は減ってきました。何度も同じことを書く手間が省けるので、記録にかかる時間が短縮され、医師や看護師は患者さんのケアにより多くの時間を割けるようになりました。
しかし、すべての医療機関で完全に電子カルテに移行したわけではありません。古い記録が紙のカルテで残っている場合もありますし、電子カルテシステムの中には、「do」の入力を受け付けるものも存在します。そのため、電子カルテの時代になっても、「do」の意味や使い方を正しく理解しておくことは大切です。過去の記録を正確に理解することは、患者さんに適切な医療を提供するために欠かせません。例えば、前の日と同じ薬を処方する場合、「do」だけを記録するのではなく、薬の名前や量をきちんと書く必要があります。そうしないと、どの薬をどれだけ処方したのか分からなくなり、誤った薬を投与してしまう危険性があります。
電子カルテは便利な道具ですが、使い方を誤ると、情報の正確さが損なわれる可能性があります。大切なのは、記録の方法にかかわらず、情報の正確さと分かりやすさを常に意識することです。過去の記録をきちんと確認し、患者さんの状態を正しく把握することで、質の高い医療を提供することができます。そのためには、医療関係者一人ひとりが記録の重要性を認識し、責任を持って記録を行う必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 電子カルテの普及 | 医療現場で電子カルテの利用が増加。検査結果、診察内容などを記録し、必要な時に確認可能。過去の記録の複写機能により、「do」の使用頻度は減少。 |
| 電子カルテのメリット | 記録時間の短縮、医師や看護師が患者ケアに多くの時間を割ける。 |
| 電子カルテの現状 | 全ての医療機関が電子カルテに移行したわけではない。紙カルテが残っている場合や、「do」入力可能なシステムも存在。 |
| 「do」の重要性 | 電子カルテ時代でも「do」の意味や使い方の理解は重要。過去の記録の正確な理解は適切な医療提供に不可欠。 |
| 「do」使用時の注意点 | 薬の名前や量を明記するなど、正確な記録が必要。誤った薬の投与などの危険性を防ぐ。 |
| 電子カルテ利用時の注意点 | 使い方を誤ると情報の正確さが損なわれる可能性がある。記録方法に関わらず、情報の正確さと分かりやすさを意識することが重要。 |
| 質の高い医療提供のために | 医療関係者一人ひとりが記録の重要性を認識し、責任を持って記録を行う必要がある。過去の記録を確認し、患者状態を正しく把握することで質の高い医療を提供可能。 |
誤解を防ぐ工夫

医療現場では、記録の簡略化のために「同」という表現がよく使われます。しかし、この「同」を安易に使うと、どの項目が繰り返されているのかが曖昧になり、誤解を招く危険性があります。誤解を防ぎ、正確な情報を伝えるためには、「同」を使う際にいくつかの工夫が必要です。
まず、「同」を使う前に、具体的な数値や状態を一度記述することが重要です。例えば、「体温36.5度」と記載した後に変化がなければ、「同」とだけ書くのではなく、「体温同」と書くことで、体温が36.5度のまま変化していないことを明確に示せます。
次に、「同」を複数回連続して使う場合は、どの行までが同じ内容なのかを分かりやすく示す工夫が必要です。例えば、「体温36.5度」、「脈拍80回/分」、「血圧120/80mmHg」と記載した後、これらの数値に変化がなければ、単に「同」を繰り返すのではなく、「体温同」、「脈拍同」、「血圧同」のように各項目ごとに「同」を付ける、あるいは括弧で囲む、線を引くなどの視覚的な工夫を加えることで、どの項目までが「同」なのかが一目で分かるようになります。これらの工夫は、記録を読み解く医療従事者全員にとって、情報の解釈を容易にし、誤解や医療ミスを防ぐことに繋がります。
さらに、「同」を使用する際のルールを医療機関内で統一しておくことも非常に大切です。共通のルールがあれば、記録の解釈のばらつきがなくなり、誰が読んでも同じように理解できます。カルテは、患者さんの健康状態を把握し、適切な治療を行うための重要な資料です。正確で分かりやすい記録を心がけることは、質の高い医療を提供する上で欠かせない要素であり、患者さんの安全確保にも繋がります。そのためにも、医療現場全体で「同」の適切な使用について意識を高め、共通理解を深める必要があります。
| 問題点 | 対策 | 目的 |
|---|---|---|
| 「同」の安易な使用は、どの項目が繰り返されているかが曖昧になり、誤解を招く。 | 具体的な数値や状態を一度記述した後、「同」を使う。 例:「体温36.5度」→「体温同」 |
どの項目が同じ値なのかを明確にする。 |
| 「同」を複数回連続して使う場合、どの行までが同じ内容なのか分かりにくい。 | 各項目ごとに「同」を付ける、括弧で囲む、線を引くなどの視覚的な工夫をする。 例:「体温同」、「脈拍同」、「血圧同」 |
どの項目までが「同」なのかを分かりやすくする。 |
| 「同」の使用ルールが統一されていないと、記録の解釈にばらつきが生じる。 | 医療機関内で「同」を使用する際のルールを統一する。 | 誰が読んでも同じように理解できるようにする。 |
より良い記録方法

医療や福祉の現場では、日々の記録は利用者の状態を把握し、適切な対応をする上で欠かせません。記録の質を高めるためには、安易な省略表現の使用を避け、具体的な記述を心がけることが重要です。例えば、「大丈夫」や「異常なし」といった言葉だけでは、どのような状態なのか具体的に伝わりません。利用者の様子をより詳しく記録するために、「顔色が良く、笑顔で話していた」「食欲があり、食事を完食した」のように、具体的な言葉で表現しましょう。
特に、利用者の状態に変化があった場合は、数値データや詳細な観察記録を残すことが大切です。体温や脈拍、血圧などの数値は客観的な指標となり、状態の変化を正確に捉えることができます。また、「いつもより元気がなく、表情が暗い」「食欲がなく、食事を残した」といった変化にも気を配り、些細な変化も見逃さないよう丁寧に記録しましょう。記録をつける際には、五感を活用し、見聞きした事実をありのままに書き留めることが重要です。
記録の効率化を図るためには、あらかじめ用意された選択肢を活用することも有効です。例えば、食事量や排泄の状態、入浴の有無などを記録する際に、選択肢から選ぶ形式にすることで、記録にかかる時間を短縮できます。また、入力ミスを減らし、データの集計や分析を容易にする効果も期待できます。さらに、記録様式や記録媒体を工夫することで、情報の整理や共有をスムーズに行うことができます。例えば、記録用紙を統一したり、電子記録システムを導入したりすることで、情報の整理や共有が容易になります。
医療・福祉の技術は常に進歩しています。記録の方法も時代に合わせて変化していくものです。常に新しい情報や技術を取り入れ、より良い記録方法を模索していく姿勢が、質の高いサービス提供につながります。
| 質の高い記録のために | 具体的な方法 |
|---|---|
| 安易な省略表現を避け、具体的な記述を心がける | 「大丈夫」「異常なし」ではなく、「顔色が良く、笑顔で話していた」「食欲があり、食事を完食した」のように具体的に記述する |
| 数値データや詳細な観察記録を残す | 体温、脈拍、血圧などの数値データや「いつもより元気がなく、表情が暗い」といった詳細な観察記録を残す |
| 些細な変化も見逃さない | 五感を活用し、見聞きした事実をありのままに記録する |
| あらかじめ用意された選択肢を活用する | 食事量、排泄の状態、入浴の有無などを選択肢から選ぶ形式にする |
| 記録様式や記録媒体を工夫する | 記録用紙の統一、電子記録システムの導入 |
| 常に新しい情報や技術を取り入れ、より良い記録方法を模索する | 新しい情報や技術を取り入れ、質の高いサービス提供につなげる |
