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医療

酸素飽和度を測る!

酸素飽和度(エスピーオーツー)とは、血液中に含まれる赤血球の色素、ヘモグロビンがどのくらい酸素と結びついているかを示す数値です。簡単に言うと、体全体に酸素が十分に行き届いているかを表す指標と言えるでしょう。健康な人の場合、通常は96%から99%の値を示します。 この酸素飽和度が低い場合、つまり95%以下になると、体が酸素不足の状態にある可能性があり、注意が必要です。酸素飽和度が低下する原因は様々ですが、呼吸器の病気が関係している場合がよくあります。例えば、肺炎や気管支炎になると、肺の機能が低下し、空気中から酸素を十分に取り込めなくなります。その結果、血液中の酸素が不足し、酸素飽和度が低下するのです。 また、心臓の働きが弱っている場合も、酸素飽和度の低下が見られることがあります。心臓は、血液を全身に送り出すポンプの役割を果たしています。心臓の機能が低下すると、血液を送り出す力が弱まり、酸素を運ぶ能力も低下するため、酸素飽和度が低くなるのです。 さらに、貧血も酸素飽和度の低下に繋がることがあります。貧血とは、血液中の赤血球やヘモグロビンが不足している状態です。ヘモグロビンは酸素と結びつき、全身に酸素を運ぶ役割を担っています。そのため、ヘモグロビンが不足すると、酸素を運ぶ能力が低下し、酸素飽和度が低くなってしまうのです。 このように、酸素飽和度は体の状態を反映する重要な指標です。日頃から自分の酸素飽和度を把握しておくと、体の異変にいち早く気付くことができるでしょう。また、医療現場でも、酸素飽和度は患者の状態を判断する上で重要な情報として活用されています。
医療

言語聴覚士:言葉とコミュニケーションのプロ

言語聴覚士、略してSTは、話すこと、聞くこと、食べることに困難を抱える人々を支える専門家です。生まれたばかりの赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年齢層が対象となり、円滑な意思疎通や食事を安全に美味しく食べられるように支援します。 具体的には、はっきりとした発音の練習や言葉を使った訓練、聞こえのリハビリ、安全に飲み込むための訓練などを行います。また、人工内耳や補聴器の調整、意思疎通を助ける機器の選び方や使い方の指導も行います。さらに、ご家族や周りの方々への指導や相談、地域での啓発活動なども大切な役割です。 近年、認知症や脳卒中、神経難病などの病気を持つ方への支援の重要性が高まっており、病院だけでなく、介護施設や学校、地域包括支援センターなど、様々な場所で活躍しています。医療チームの一員として、医師や看護師、理学療法士、作業療法士などと協力し、一人ひとりに合った最適な支援を提供することで、より良い生活を送れるようにお手伝いします。 人と人との関わりの中で生きていく上で、意思疎通はとても大切なものです。STはその土台を支える重要な役割を担っています。近年、社会の高齢化や病気の種類の変化に伴い、話すこと、聞くこと、食べることに困難を抱える人が増えています。そのため、STの必要性はますます高まっており、社会的に重要な専門職として認められています。言葉の遅れやどもり、発音の障害、失語症、聞こえの障害、飲み込みの障害など、様々な課題を抱える人々にとって、STは頼りになる存在と言えるでしょう。
医療

ことばと聞こえの専門家:言語聴覚士

言語聴覚士は、話すこと、聞くこと、そして意思疎通全般、さらに食べることや飲み込むことに困難を抱える人々を支える専門家です。赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年齢層の方々を対象に、医療や福祉、教育といった様々な場所で活躍しています。 例えば、ことばの発達がゆっくりなお子さんには、正しい発音を身につけるための指導を行います。また、脳卒中などでことばに障害が残ってしまった方々には、再び円滑に話せるようにリハビリテーションを行います。うまく飲み込むことが難しい方々には、安全に食事ができるように、摂食・嚥下機能の訓練を行います。さらに、耳が聞こえにくい方々には、聞こえを支えるためのリハビリテーションを行います。人工内耳をつけた方へのサポートや、声帯など発声器官に障害のある方へ、他の方法で意思を伝える手段の指導も行います。 近年は、認知症の方とのコミュニケーション方法の指導や、声を出しすぎることで起こる音声障害を未然に防ぐための指導にも力を入れています。歌手や教師など、声をよく使う職業の方に、どのように声を出すと負担が少ないか、またどのようなケアが必要かといった指導を行うこともあります。高齢化が進むにつれて、加齢に伴う飲み込みにくさへの対応も、言語聴覚士の大切な仕事の一つとなっています。このように、言語聴覚士は人々の生活の質の向上に欠かせない役割を担っています。
通所による介護

生活技能訓練(SST)でより良い暮らしを

生活技能訓練(せいかつぎのうくんれん)、略してSST(エスエスティー)とは、日常生活を送る上で必要な様々な技能を身につけるための訓練のことです。挨拶の仕方や、人と話すときの話の進め方、自分の気持ちをうまく伝える方法、電車やバスといった乗り物の使い方、お金の管理の仕方、料理や掃除、洗濯といった身の回りのことのやり方など、日常生活における様々な活動を訓練を通して学ぶことができます。 この訓練の目的は、人との良い関係を築けるようになること、日常生活で起こる困りごとを自分で解決できるようになること、そして社会生活を送る上で必要な力を身につけることです。例えば、うまく気持ちを伝えられないことで、人との関係に悩んでいる人が、SSTを通して気持ちを伝える練習をすることで、人とうまく付き合えるようになるといった効果が期待できます。また、一人で外出するのが難しい人が、SSTを通して電車やバスの乗り方を学ぶことで、一人で色々な場所に行けるようになることも目指せます。 SSTは、心の病気を抱えている人、発達に特性のある人、年を重ねた人、家に閉じこもりがちな人など、様々な人が利用しています。一人ひとりの状態や困りごとに合わせて、どんな訓練をするのかが決められるので、それぞれに合ったやり方で学ぶことができます。 訓練は、みんなで一緒に受ける場合と、一人だけで受ける場合があります。周りの人と関わりながら学ぶ方が良い場合や、一人でじっくりと取り組む方が良い場合など、その人に合った方法で進められます。 SSTを実施する際には、医師や看護師、精神保健福祉士、作業療法士、臨床心理士といった専門家がチームを組んで、利用する人の状態をしっかりと把握し、それぞれに合った訓練内容を考えていきます。専門家が丁寧に教えてくれるので、安心して訓練に取り組むことができます。SSTを通して、社会への参加がしやすくなったり、生活の質が上がったり、自分の力で生活できるようになることを目指します。
医療

知っておきたい!酸素飽和度(SPO2)

酸素飽和度(えすぴーおーつー)とは、血液中に含まれる赤血球の色素、血色素(けっしきそ)がどれくらい酸素と結びついているかを割合で表した数値です。この血色素は、肺から取り込んだ酸素と結びつき、全身の細胞へ酸素を運ぶ役割を担っています。酸素飽和度は、血色素にどれだけの酸素がくっついているかを示すため、健康状態を把握する上で重要な指標となります。 酸素飽和度の値は、一般的に96%以上が正常範囲とされています。健康な人であれば、ほとんどの場合、血色素のほぼ全てが酸素と結びついている状態です。しかし、95%以下になると、体に十分な酸素が行き渡っていない可能性があり、注意が必要です。値が下がるにつれて、息苦しさや動悸といった症状が現れることがあります。さらに低い数値、例えば90%以下になると、思考力の低下や意識がぼんやりするといった症状が現れ、深刻な場合は意識を失ってしまうこともあります。このような状態は、体内の細胞が酸素不足に陥っていることを示しており、迅速な対応が必要です。 酸素飽和度は、体に十分な酸素が行き渡っているかを判断する重要な指標であり、健康管理に役立ちます。特に、呼吸器系の病気や循環器系の病気を持つ人にとっては、日頃から酸素飽和度を測定し、健康状態を把握することが大切です。最近では、手軽に酸素飽和度を測定できる機器も販売されており、指先に挟むだけで簡単に測定することができます。こうした機器を利用することで、日々の健康管理に役立て、病気の早期発見にも繋げることが期待できます。また、日常生活においても、深呼吸を意識的に行ったり、適度な運動を心がけることで、肺の機能を高め、酸素飽和度を良好な状態に保つことができます。