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医療

カルテ用語OC:現病歴の理解

現病歴とは、患者さんが今まさに抱えている病気や不調について、その始まりから現在までの変化を時間順に詳しく記録したものです。これは、医師が病気の本当の原因を探り、診断を下し、治療方針を決める上で非常に大切な情報源となります。カルテにはよく「OC」または「PI」と略して書かれています。 現病歴を作る際は、患者さん自身が自分の言葉で説明した内容がもとになります。そのため、患者さん自身の感じ方や考え方が含まれる、いわば主観的な記録となります。しかし、この主観的な情報こそが、患者さんの状態を深く理解する手がかりとなるのです。もちろん、客観的な検査データなども合わせて、全体を見ながら判断することで、より確かな診断へと繋がります。 現病歴は、一度書いたら終わりではありません。病状が変化したり、新しい症状が現れたりする度に、その都度更新していく必要があります。過去の記録と見比べることで、病気がどのように進んでいるのか、治療がどれくらい効いているのかを評価することができます。例えば、以前は痛みが強かったのに、今は楽になった、あるいは熱が下がったといった変化を記録することで、治療の効果を客観的に判断できるのです。また、新たな症状が現れた場合、それが最初の病気と関係があるのか、それとも別の病気なのかを判断する材料にもなります。 このように、正確で詳しい現病歴の記録は、質の高い医療を提供するために欠かせないものと言えるでしょう。患者さん一人ひとりの状況を丁寧に記録し、それを基に治療を進めていくことで、より良い医療の実現へと繋がっていくのです。