O157

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溶血性尿毒症症候群:知っておきたい基礎知識

溶血性尿毒症症候群は、主に腸管出血性大腸菌の感染によって起こる深刻な病気です。この病気は、赤血球の破壊、腎臓の働きの低下、血小板の減少という三つの大きな特徴があります。これらの症状は互いに関連し合い、重くなると命に関わることもあります。 まず、お腹がひどく痛くなり、水のような下痢が起こります。場合によっては、血が混じった便が出ることもあります。こうした初期症状の後、数日から数週間かけて、赤血球の破壊による顔色の悪さや疲れやすさが現れます。腎臓の働きが低下すると、尿の量が減ったり、むくみが生じたりします。さらに、血小板が減ることで、出血しやすくなります。 特に、腎臓の働きの低下は深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、適切な治療が必要です。乳幼児や高齢者の方はこの病気が重症化しやすいため、特に注意が必要です。 溶血性尿毒症症候群は感染症なので、衛生管理をしっかり行い、早期の診断と治療が重要です。そのため、疑わしい症状が現れたら、すぐに医療機関を受診するようにしてください。早期発見と適切な治療によって、重症化を防ぎ、健康な状態を取り戻すことができる可能性が高まります。また、家族や周囲の人への感染を防ぐためにも、速やかな対応が大切です。
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病原性大腸菌Oとは?

大腸菌は、私たちの腸の中に普通に住んでいる細菌です。ほとんどの種類は体に悪い影響を与えませんが、食中毒の原因となる有害な大腸菌も存在します。これらを病原性大腸菌と呼び、様々な種類があります。 病原性大腸菌は、下痢や腹痛といった、お腹の調子が悪くなる症状を引き起こします。ひどい場合には、重い合併症になることもあります。代表的な病原性大腸菌には、腸管出血性大腸菌(O157など)、腸管侵入性大腸菌、腸管病原性大腸菌、腸管凝集性大腸菌、腸管毒素原性大腸菌などがあります。 これらの大腸菌は、それぞれ異なる方法で病気を引き起こし、症状も様々です。例えば、O157などの腸管出血性大腸菌は、ベロ毒素という毒を作り出し、出血を伴う腸炎や、溶血性尿毒症症候群といった重い病気を引き起こすことがあります。この病気は、腎臓の働きが悪くなるなど、命に関わることもあります。 一方、腸管毒素原性大腸菌は、コレラという病気と同じような毒素を作り出し、水のような下痢を引き起こします。このように、一口に病原性大腸菌といっても、その種類や特徴は様々です。 食中毒を防ぎ、安全な食生活を送るためには、これらの大腸菌について正しく理解し、適切な予防策を講じることが大切です。例えば、肉は中心部までしっかり加熱すること、生野菜は流水でよく洗うこと、トイレの後や食事の前には石鹸で丁寧に手を洗うことなどが重要です。また、特に抵抗力の弱い乳幼児や高齢者などは、より注意が必要です。