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医療

医療ソーシャルワーカー:寄り添う支援

医療ソーシャルワーカー(MSW)は、病気やけがによって、日々の暮らしに困りごとを抱えている患者さんやそのご家族のお話を聞き、問題解決のためのお手伝いをする専門家です。病院だけでなく、介護施設や地域包括支援センターなど、さまざまな場所で活躍しています。 医療ソーシャルワーカーは、社会福祉に関する専門的な知識と技術を活かし、患者さんやご家族が抱える不安や悩みに寄り添います。そして、一日も早く、そして安心して社会復帰できるよう、サポートしていきます。 医療ソーシャルワーカーの仕事内容は多岐に渡ります。患者さん一人ひとりの状況に合わせて、それぞれに合った支援を提供することが求められます。 例えば、患者さんが利用できる制度やサービスの情報提供、福祉サービスの利用手続き、行政や関係機関との連絡調整、経済的な問題の相談、退院後の生活の計画作成などを行います。 経済的な問題としては、医療費の支払いや生活費の確保、各種給付金、手当の申請などが挙げられます。医療ソーシャルワーカーは、患者さんの経済的な負担を軽減するための支援も行います。 退院後の生活については、住む場所の確保、介護サービスの利用、福祉用具の選定、就労支援など、患者さんが安心して生活を送れるように、きめ細やかなサポートを提供します。 医療ソーシャルワーカーは、患者さんにとって心強い味方であり、社会復帰への道を切り開く大きな力となります。患者さんやご家族が安心して療養生活を送れるよう、包括的な支援を通して支えていきます。
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院内感染に注意!MRSA感染症とは

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症は、特定の抗生物質が効きにくい、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌という細菌によって起こる感染症です。この黄色ブドウ球菌は、健康な人の皮膚や鼻の穴などに普通にいる菌で、普段は特に害はありません。しかし、皮膚に傷口があったり、体の抵抗力が下がっている状態だと、この菌が体の中に入り込み、感染症を引き起こすことがあります。 MRSA感染症は、病院などでかかる院内感染の代表的なものとして知られています。病院では、いろいろな医療行為が行われるため、細菌に触れる機会が増えてしまいます。さらに、入院している患者さんは抵抗力が落ちている場合が多く、感染症にかかりやすい状態です。そのため、MRSA感染症が発生する危険性も高くなります。 MRSA感染症は、皮膚の感染症として始まることが多く、発赤、腫れ、痛み、膿などを伴います。初期症状は、ニキビや毛嚢炎(毛穴の炎症)のように見えることもあります。感染が進むと、蜂窩織炎(皮膚の深い部分の炎症)や膿瘍(膿のたまり)になることもあります。また、重症化すると、菌が血液に入り込み、敗血症などの生命に関わる状態を引き起こす可能性もあります。 MRSA感染症の治療には、抗生物質が使われます。しかし、MRSAは多くの抗生物質に耐性を持っているため、治療が難しい場合があります。医師は、患者の状態や菌の感受性を考慮して、適切な抗生物質を選択します。感染部位によっては、切開排膿などの外科的処置が必要になることもあります。 MRSA感染症を予防するために、手洗いや消毒を徹底することが重要です。医療従事者は、患者に触れる前後に必ず手洗いや手指消毒を行い、感染の拡大を防ぐ必要があります。また、傷口を清潔に保ち、適切な処置をすることも大切です。 日常生活では、タオルや洗面用具などを共有しない、バランスの取れた食事や十分な睡眠で抵抗力を高める、といった対策も有効です。
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高齢者を守る!MRSA感染対策

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(エムアールエスエー)とは、読んで字のごとく、メチシリンという抗生物質が効かない黄色ブドウ球菌のことです。黄色ブドウ球菌は、健康な方の皮膚や鼻の中など、どこにでもいるありふれた細菌です。普段は特に害を及ぼすことはありません。しかし、この黄色ブドウ球菌の一部が、様々な抗生物質、特にメチシリンへの耐性を持つようになったものが、MRSAと呼ばれています。 健康な方であれば、MRSAに感染しても、症状が出ない場合も少なくありません。皮膚などに軽い炎症を起こす程度で、自然に治癒することもあります。しかし、高齢者の方や、病気などで免疫力が低下している方にとっては、MRSAは深刻な脅威となります。免疫力が弱まっていると、MRSAが体内で増殖しやすく、重症の感染症を引き起こす危険性が高まります。例えば、皮膚の感染症にとどまらず、肺炎や敗血症といった命に関わる病気の原因となることもあります。 高齢者施設や病院など、抵抗力が弱い方が多く集まる場所では、MRSAの感染対策が極めて重要です。医療従事者や介護職員は、手洗いや消毒を徹底することはもちろん、MRSA感染者とそうでない方の接触をなるべく避けるなど、感染拡大の防止に細心の注意を払う必要があります。また、施設内を清潔に保つことも大切です。 早期発見と適切な治療も重要です。MRSA感染の症状は、他の細菌感染と似ていることが多く、見分けることが難しい場合もあります。そのため、少しでも異変に気付いたら、早めに医師に相談し、適切な検査と治療を受けることが大切です。MRSAに感染しても、適切な抗生物質を用いれば治療することができます。ただし、MRSAは多くの抗生物質に耐性を持っているため、医師の指示に従って正しく薬を服用することが重要です。
医療

MRI検査:体の内部を見る技術

磁力の検査とは、正式には磁気共鳴画像法(エムアールアイ)と呼ばれる検査のことです。 強力な磁石と電波を使って、体の内側を細かく画像にする方法です。 レントゲン検査のように放射線を使うことはないので、放射線による被ばくの心配は不要です。 磁力の検査では、体の中の水分量や脂肪量の差を利用して、臓器や血管、筋肉、骨などをはっきりと映し出すことができます。 例えば、脳や心臓、お腹の中、関節など、様々な体の部位を調べることができます。 この検査は、病気の早期発見に非常に役立ちます。 がんのような深刻な病気も、まだ症状が出ていない初期の段階で見つけることができる場合があります。 また、すでに病気が見つかった場合でも、病気がどのくらい広がっているのか、どの程度悪化しているのかなどを正確に診断するために役立ちます。 磁力の検査を受ける際には、金属製のものを身につけていないことが大切です。 時計やアクセサリー、入れ歯などは検査前に外す必要があります。 また、体内にペースメーカーなどの医療機器が入っている場合は、検査を受ける前に医師に相談することが必要です。 検査中は、大きな音がしますが、痛みを感じることはありません。 磁力の力を利用した、最新の医療技術であり、私たちの健康を守る上で重要な役割を果たしている検査と言えるでしょう。
医療

認知症検査:MMSEについて

もの忘れがひどくなった、今までできていたことができなくなった、と感じることはありませんか?そのような変化を感じたら、認知症検査を受けることで、ご自身の認知機能の状態を正しく知ることができます。 認知症検査とは、記憶力や判断力、思考力など、様々な認知機能がどの程度保たれているかを調べる検査です。加齢とともに、もの忘れが多くなるなど、認知機能の衰えを感じる方もいるでしょう。しかし、認知症は単なる物忘れとは異なり、日常生活に支障が出るほど認知機能が低下した状態を指します。 認知症検査を受けることで、認知症の早期発見・早期対応に繋がります。早期に発見できれば、適切な治療や支援を受けることで、症状の進行を遅らせたり、生活の質を維持したりすることに繋がります。 認知症が疑われる場合、まず医療機関を受診し、専門医による詳しい検査と診断を受けることが大切です。問診や診察に加え、様々な種類の認知症検査があります。例えば、MMSE(ミニメンタルステート検査)は、広く用いられている簡単な検査の一つで、30点満点で点数化されます。点数によって認知機能の状態を客観的に評価することができます。MMSE以外にも、長谷川式簡易知能評価スケールや時計描画テストなど、様々な検査を組み合わせて、より詳しく状態を把握します。検査を受ける際は、リラックスして普段通りの様子で臨みましょう。医師や専門家は、検査結果だけでなく、日常生活の様子なども考慮しながら、総合的に判断します。気になることがあれば、遠慮なく相談することが大切です。
介護保険

MDS方式で最適なケアを

利用者中心のケアとは、一人ひとりの利用者の方々にとって、何が一番大切なのかを最優先に考える介護の考え方です。これまでのような、みんな同じやり方、同じサービスという画一的な支援ではなく、それぞれの個性や生活、身体の状態、そして将来への思いなどを丁寧に汲み取り、その方に合わせた本当に必要な支援を提供していくことを目指します。 従来の画一的なケアプランでは、どうしても利用者の方々の多様なニーズに対応しきれず、真に必要なケアが行き届かないケースがありました。例えば、足腰が弱っているからといって、全員が同じように車椅子での生活を望んでいるとは限りません。中には、少しでも自分の足で歩きたい、家の階段を昇り降りしたいという強い希望を持つ方もいらっしゃいます。また、食事に関しても、刻み食やとろみ食が必要な方だけでなく、普通の食事を楽しみたい方もいらっしゃるでしょう。このような一人ひとりの細やかな希望や状況を丁寧に把握し、尊重することが利用者中心のケアでは何よりも重要です。 利用者中心のケアを実現するためには、利用者の方とご家族、そしてケアマネジャーや介護職員など、関わる全ての人々が協力し合う必要があります。利用者の方からは、ご自身の状態や希望、不安に思っていることなどを積極的に伝えていただき、ご家族からは、これまでの生活の様子や性格、大切にしていることなどを共有していただきます。そして、ケアマネジャーや介護職員は、これらの情報を丁寧に集め、その方に最適なケアプランを作成し、日々の支援に活かしていきます。 MDS(最低限のデータセット)方式は、このような利用者中心のケアを実現するための有効な手法の一つです。利用者の方の状態を多角的に評価し、その情報をケアプランに反映させることで、本当に必要なケアを提供することを目指します。MDS方式を活用することで、より質の高い、そして利用者の方々が満足できるケアを提供することが可能になります。