髄膜炎

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医療

髄膜炎検査:ルンバールについて

腰椎穿刺という検査は、脳と脊髄を包む液体である髄液を採取するために行われます。この検査は一般的に「ルンバール」と呼ばれています。髄液は、脳と脊髄を保護するクッションのような役割を果たしており、その成分を調べることで、様々な病気の有無を判断することができます。 髄液検査が必要となるのは、主に頭痛、高い熱、意識がはっきりしないといった症状が見られる場合です。これらの症状は、髄膜炎や脳炎といった命に関わる可能性のある重大な病気を示唆していることがあります。髄膜炎は、脳と脊髄を覆う膜に炎症が起こる病気であり、脳炎は脳そのものに炎症が起こる病気です。どちらも早期の診断と治療が非常に重要です。 採取した髄液は、見た目(色や濁り具合)、細胞の数、含まれるたんぱく質や糖の量などを分析します。これらの分析結果から、髄膜炎や脳炎かどうかを判断するだけでなく、他の神経系の病気がないかどうかも調べることが可能です。例えば、ギラン・バレー症候群や多発性硬化症といった病気も、髄液検査によって診断の手がかりを得ることができます。 また、既に治療を受けている患者さんの場合、治療の効果がどれくらい出ているかを判断するためにも腰椎穿刺は有用です。治療前に採取した髄液と、治療後に採取した髄液を比較することで、治療の効果を客観的に評価することができます。さらに、抗菌薬など、直接髄液の中に薬を投与する必要がある場合にも、この腰椎穿刺を用います。 このように腰椎穿刺は、病気の診断、他の病気との区別、治療の効果判定、そして薬剤投与など、様々な目的で用いられる重要な検査です。適切な診断と治療に結びつけるために欠かせない検査と言えるでしょう。