骨粗鬆症

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骨粗鬆症と上手につきあう

骨粗鬆症は、骨の内部の構造がスカスカになり、もろくなってしまう病気です。例えるなら、健康な骨はぎっしりと詰まったスポンジのような構造ですが、骨粗鬆症になるとスポンジにたくさんの穴があいたような状態になります。そのため、少しの力でも簡単に折れてしまうのです。骨の量は若い頃は徐々に増え、30歳前後でピークを迎えます。その後は加齢とともに徐々に減少していきます。骨粗鬆症は、この減少が著しくなり、骨がもろくなることで起こります。 骨粗鬆症の怖いところは、自覚症状がほとんどないまま進行していくことです。そのため、骨折するまで骨が弱くなっていることに気づかない場合が少なくありません。骨折しやすい場所は、背骨、手首、そして太ももの付け根(大腿骨近位部)です。高齢になると、ちょっとした段差につまずいたり、バランスを崩したりして転倒しやすくなります。このような場合、骨粗鬆症があると骨折のリスクが非常に高くなります。特に大腿骨近位部骨折は、寝たきりの原因となることが多く、要介護状態になるリスクも高まります。また、背骨の骨折を繰り返すと、背中が曲がったり、身長が縮んだりすることもあります。 骨粗鬆症の早期発見のためには、定期的な健康診断と骨密度測定が重要です。骨密度測定は、骨の強さを測る検査で、骨粗鬆症の診断に役立ちます。また、日頃から骨を強くするために、生活習慣の見直しも大切です。食事では、カルシウムとビタミンDを積極的に摂りましょう。カルシウムは牛乳や乳製品、小魚などに多く含まれています。ビタミンDは、日光浴によっても体内で作られますが、食事からも摂取できます。魚やきのこ類などに多く含まれています。適度な運動も、骨を強くする効果があります。ウォーキングや軽い体操など、無理なく続けられる運動を選びましょう。 骨粗鬆症は、適切な治療と生活習慣の改善によって進行を遅らせることができます。早期に発見し、治療を開始することで、骨折のリスクを減らし、健康寿命を延ばすことができます。高齢になっても自分の足で元気に歩くために、今からできることを始めましょう。
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腰椎圧迫骨折:知っておくべき基礎知識

腰椎圧迫骨折とは、背骨の下部に位置する腰椎という骨が、何らかの圧力によってつぶれてしまう状態を指します。ちょうど積み木のように連なった背骨のうち、腰の部分にある骨が押しつぶされるように変形してしまうのです。この骨折は、特に骨がもろくなっている高齢の方に多く見られます。骨が弱くなる原因として代表的なものは骨粗鬆症です。骨粗鬆症は、骨を作る細胞の働きが衰え、骨の密度が低下していく病気です。加齢とともに誰しも骨はもろくなりやすいですが、特に閉経後の女性は女性ホルモンの減少に伴い骨密度が低下しやすいため、腰椎圧迫骨折のリスクが高まります。 腰椎圧迫骨折の特徴として、比較的弱い力でも骨折に至ることが挙げられます。くしゃみや咳といった日常の動作でさえ、骨折の引き金となることがあります。また、しりもちをついたり、重い物を持ち上げたりといった場合も注意が必要です。骨粗鬆症は自覚症状に乏しい病気であるため、知らないうちに病気が進行し、骨が弱くなっていることがあります。そのため、高齢者や閉経後の女性は、骨密度検査を定期的に受けるなど、早期発見、早期治療に努めることが大切です。 腰椎圧迫骨折は、痛みや姿勢の変化といった症状が現れます。痛みは、腰や背中に生じることが多く、体を動かすと悪化する場合があります。また、骨折によって背骨が変形するため、姿勢が前かがみになる、身長が低くなるといった変化が現れることもあります。これらの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが重要です。早期に適切な治療を開始することで、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
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圧迫骨折:知っておくべき知識と対策

圧迫骨折は、骨が上から下へと押しつぶされるように折れることを指します。特に、私たちの体を支える柱である背骨に起こりやすい骨折です。背骨はたくさんの小さな骨が積み重なってできていますが、この骨の一つ一つがつぶれてしまうのです。 この圧迫骨折は、骨がもろくなっている高齢の方に多く見られます。骨の強さを保つ大切な要素であるカルシウムやビタミンDが不足したり、女性ホルモンの減少による骨粗鬆症などが原因で骨が弱くなると、ちょっとした刺激でも骨折しやすくなります。例えば、くしゃみをしたり、軽く尻もちをついたり、少し重い物を持ち上げただけでも、骨が耐えられずに折れてしまうことがあるのです。 若い方でも、交通事故などの強い衝撃や、高いところからの転落などで圧迫骨折を起こす可能性はあります。しかし、高齢になると骨の密度が自然と減っていくため、骨折のリスクはさらに高まります。 圧迫骨折の怖いところは、初期段階ではあまり痛みを感じない場合もあることです。そのため、骨折に気づかずに放置してしまうと、背骨の変形が進んで姿勢が悪くなったり、曲がった背骨が神経を圧迫してしまい、しびれや麻痺といった深刻な症状が現れることもあります。 少しでも体に異変を感じたら、すぐに医療機関を受診することが大切です。早期に発見し、適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。また、日頃からバランスの良い食事や適度な運動を心がけ、骨を丈夫に保つことも、圧迫骨折の予防に繋がります。