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医療

てんかんと日常生活の介助

てんかんは、脳の中の神経細胞が一時的に異常に興奮し、発作を繰り返す病気です。この発作は、突然始まり、普段とは異なる体の状態や意識、行動、感覚の変化が現れます。例えば、意識を失ったり、体が硬直したり、けいれんしたり、感覚がおかしくなったりします。てんかんは、慢性の脳の病気の一つであり、乳幼児期や高齢者に多くみられますが、年齢や性別に関係なく誰でもかかる可能性があります。世界保健機関(WHO)の推計によると、世界中で約5000万人がてんかんと共に生活しているとされ、日本では人口の約1%、およそ100万人がてんかんを抱えていると推定されています。 てんかんという名前の由来は、古代ギリシャ語で「神聖なる病気」という意味を持つ言葉です。かつては、てんかん発作は神の力によるもの、あるいは悪魔が人にとりついていると考えられていた時代がありました。発作の時の様子が、人智を超えた力によるものと捉えられていたためです。しかし、現代ではてんかんは脳の病気であることが医学的に証明されており、適切な治療と周りの理解、支援があれば、多くの患者さんが普通の社会生活を送ることができます。てんかんという病気について正しく理解し、偏見を持たずに接することが大切です。 てんかん発作には様々な種類があり、症状や発作の起こり方も人それぞれです。意識がなくなる大発作、意識が保たれたまま体がぴくぴく動く小発作、ぼーっとする欠神発作などがあります。発作の頻度も様々で、年に数回程度の人もいれば、毎日何度も発作を起こす人もいます。そのため、患者さん一人ひとりの状態に合わせた治療が必要となります。治療の中核となるのは薬物療法ですが、薬物療法以外に外科療法や食事療法などの選択肢もあります。また、発作時の安全確保や日常生活での注意点など、周りの方の理解と協力も重要です。