過眠症

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健康の維持

睡眠障害と高齢者ケア

「睡眠障害」とは、夜間にしっかりと眠ることができず、日中の生活にまで影響を及ぼす状態のことを言います。ただ一晩眠れなかったという一時的なものではなく、ある程度の期間に渡って繰り返し眠れない、あるいは睡眠の質が低い状態が続くことを指します。 この睡眠障害は、加齢とともに起きやすくなると言われています。年を重ねると、身体の機能が低下し、ホルモンの分泌リズムも変化します。また、生活習慣の変化や、持病のために服用している薬の影響なども、睡眠に影響を与えることがあります。 睡眠障害には様々な種類があります。例えば、「寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚める」「朝早く目が覚めてしまう」「ぐっすり眠れない」といった症状が現れます。これらの症状が続くと、日中は強い眠気に襲われたり、集中力が低下したり、疲れが取れにくくなったりします。また、倦怠感やイライラ感が募り、意欲の低下にも繋がります。 高齢者の場合、睡眠障害が認知症のリスクを高めるという報告もあります。さらに、転倒や骨折のリスクを高めるなど、身体的な健康にも悪影響を及ぼします。 睡眠障害は、高齢者の生活の質(QOL)を著しく低下させる大きな要因です。規則正しい生活習慣を心がけたり、睡眠環境を整えたりすることで睡眠の質を改善できる場合もあります。睡眠に問題を抱えている場合は、早めに専門の医師に相談することが大切です。
医療

居眠り病:ナルコレプシーを知ろう

ナルコレプシーは、一般的に「居眠り病」と呼ばれる睡眠障害です。この病気は、日中に強い眠気に襲われることを主な特徴としています。突然、激しい眠気が生じ、場所や状況を問わず、授業中、仕事中、さらには運転中など、日常生活の様々な場面で起こり得ます。そのため、社会生活に大きな支障をきたす可能性があります。 この強い眠気は、数分程度から数十分続くこともあり、目が覚めた後も、しばらくの間はぼんやりとした状態が続くことがあります。単なる「眠い」という状態とは異なり、自分の意思ではコントロールできない強い眠気に襲われます。まるでスイッチが入ったかのように、突然眠ってしまうため、周囲からは怠けていると誤解される場合もあるかもしれません。 ナルコレプシーの原因は、脳内の神経伝達物質オレキシンの不足と考えられています。オレキシンは、覚醒を維持する上で重要な役割を果たしており、この物質が不足すると、睡眠と覚醒のリズムが乱れてしまいます。ナルコレプシーの詳しい仕組みはまだ全てが解明されたわけではありませんが、遺伝的な要因や免疫系の異常などが関わっていると考えられています。 ナルコレプシーは、思春期頃に発症することが多いですが、年齢や性別に関係なく発症する可能性があります。早期に適切な治療を開始することで、症状を和らげ、日常生活を送りやすくすることができます。ナルコレプシーの治療には、薬物療法や生活指導などが行われます。規則的な睡眠習慣を身につけ、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけることも重要です。もし、日中に強い眠気に悩まされている場合は、医療機関を受診し、専門医に相談することをお勧めします。早期の診断と治療によって、より良い生活を送ることができるようになります。