血流障害

記事数:(2)

医療

閉塞性動脈硬化症と介護

閉塞性動脈硬化症とは、血管が硬くなり、内側が狭くなってしまう病気です。血管が硬くなることを動脈硬化といいますが、これは年を重ねるにつれて誰にでも起こりうるものです。しかし、高血圧やコレステロール値が高い状態、あるいは糖尿病や喫煙といった危険な要因が重なると、動脈硬化が早く進んでしまうことがあります。 この病気は、特に足の血管で起こりやすく、酸素や栄養が体の隅々まで届きにくくなります。そのため、初期症状として足が冷えたり、しびれたり、痛んだりすることがあります。これらの症状は、歩行などの運動時に特に強く現れ、休息すると軽快するのが特徴です。間隔跛行(かんかくはこう)と呼ばれるこの症状は、閉塞性動脈硬化症の代表的な症状の一つです。 病気が進行すると、安静にしている時でも足に痛みが続くようになります。さらに重症化すると、足の皮膚に潰瘍(かいよう)ができたり、組織が壊死する壊疽(えそ)といった深刻な状態に陥ることもあります。最悪の場合、壊疽が広範囲に及ぶと、足を切断しなければならなくなるケースもあります。 このように、閉塞性動脈硬化症は重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見と適切な治療が非常に大切です。また、症状の進行度合いによっては、日常生活での介助や介護が必要となる場合もあります。医師の指示に従って、薬物療法や運動療法、生活習慣の改善などに取り組むとともに、家族や介護者による適切な支援も重要です。
医療

床ずれ予防の基礎知識

床ずれとは、医学用語では褥瘡(じょくそう)と呼ばれる皮膚の病気です。寝たきりや車椅子生活など、長時間同じ姿勢を保つことで、体重で圧迫された体の部位に発生しやすくなります。ちょうど、布団や椅子と接触している部分が圧迫を受け続けるため、「床ずれ」という名前で広く知られています。 床ずれの主な原因は、皮膚への持続的な圧迫による血行不良です。私たちの体は、常に血液によって酸素や栄養を全身の細胞に届けています。しかし、同じ姿勢を長時間続けると、体重で圧迫された部分の血管が押しつぶされ、血液の流れが悪くなってしまいます。すると、皮膚やその下の組織に十分な酸素や栄養が届かなくなり、細胞が損傷を受け、皮膚が赤くなったり、水ぶくれができたりします。さらに症状が進むと、皮膚が壊死し、潰瘍になってしまうこともあります。 床ずれは、初期段階では皮膚が赤くなる程度ですが、悪化すると皮膚が黒く変色し、深い潰瘍を形成することもあります。重症化すると、感染症を引き起こしたり、骨にまで達する深い傷になる可能性もあります。床ずれの治療は、傷の深さや状態によって異なりますが、一般的には、傷口を清潔に保ち、壊死した組織を取り除き、適切な薬を塗布するなどの処置が行われます。 床ずれは、一度発生すると治癒に時間がかかり、日常生活にも大きな影響を及ぼします。そのため、床ずれの予防が何よりも重要になります。具体的には、2時間ごとに体位を変える、クッションなどを活用して圧迫を軽減する、皮膚を清潔に保つ、栄養バランスの良い食事を摂るといった対策が有効です。また、皮膚の状態をこまめにチェックし、異常に気付いたら早めに医療機関に相談することも大切です。