血栓予防

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ワルファリン:血栓症予防の要

ワルファリンは、血液をサラサラにする薬で、抗凝固薬という種類の薬に分類されます。血液は通常、怪我をしたときに固まって出血を止めますが、ワルファリンは、血液が固まりすぎるのを防ぎ、血栓という血液の塊ができるのを予防したり、治療したりするために使われます。 血栓は、血管の中で血液が固まってできる塊のことです。この血栓が血管を詰まらせると、血液の流れが悪くなり、様々な体の部位に影響が出ます。例えば、足の静脈に血栓ができると、それが肺に移動して肺塞栓症を引き起こすことがあります。肺塞栓症は、呼吸が苦しくなったり、胸が痛くなったりする病気で、重症化すると命に関わることもあります。また、脳の血管に血栓ができると脳梗塞になり、体に麻痺が残ったり、言葉がうまく話せなくなったりといった後遺症が残ることもあります。ワルファリンは、このような深刻な病気を防ぐために大切な役割を果たします。 ワルファリンは、ビタミンKという栄養素の働きを邪魔することで、血液を固めるために必要なタンパク質が作られるのを抑えます。このタンパク質は血液凝固因子と呼ばれ、ビタミンKはこの血液凝固因子が作られるのに必要です。ワルファリンによって血液凝固因子が十分に作られなくなると、血液は固まりにくくなります。 ワルファリンを服用する際は、適切な量を保つことがとても重要です。血液検査を定期的に行い、その結果に応じて医師が服用量を調整します。ワルファリンの量が少ないと血栓ができるのを十分に防げず、逆に多すぎると出血しやすくなります。そのため、自己判断で服用を中止したり、量を変えたりせず、必ず医師の指示に従ってください。
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アスピリン:様々な効果と注意点

アスピリンは、長い歴史を持つよく知られた薬です。痛みや熱を抑える効果があり、私たちの身近で広く使われています。例えば、頭が痛い時、歯が痛い時、生理痛が辛い時、熱がある時など、様々な場面で症状を和らげるために役立ちます。 アスピリンの歴史は古く、19世紀の終わり頃にドイツの会社で人工的に作られました。その後、世界中に広まり、今では家庭に常備されていることも多い薬となっています。痛みや熱を抑えるだけでなく、少量のアスピリンには血液をサラサラにする効果もあることが分かっています。これは、血液の塊である血栓ができるのを防ぐ働きによるものです。 血栓は血管を詰まらせてしまい、心臓の筋肉が壊死する病気や脳の血管が詰まる病気を引き起こすことがあります。これらの重い病気を防ぐため、医師の指示のもとで少量のアスピリンが処方されることがあります。 アスピリンは効果が高い反面、体に悪い影響が出ることもあります。胃や腸の調子が悪くなったり、出血しやすくなったりする可能性があります。そのため、アスピリンを飲む時は、必ず医師や薬剤師に相談し、正しい飲み方や量を守ることが大切です。自分の判断で飲むのは危険なので、専門家の指示に従いましょう。