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仲間と支え合う、ピア・カウンセリング
同じような体験をした仲間同士が、互いを支え合う場、それがピア・カウンセリングです。専門家の先生によるカウンセリングとは違って、ピア・カウンセラーと呼ばれる、特別な訓練を受けた仲間が相談相手になります。
ピア・カウンセリングは、病気やけが、障がいなどで困っている人のいる医療や福祉の場に限らず、学校や地域活動など、様々な場所で役に立っています。
ピア・カウンセリングの大きな特徴は、同じような経験を持つ人同士だからこそ分かり合える心の痛みや葛藤を共有し、安心感と共感を得られることです。例えば子育ての悩みを抱える母親同士、病気と闘っている患者同士、障がいを持つ人同士など、様々な場で活用されています。
専門家には話しにくい内容でも、同じ立場だからこそ打ち明けられるという安心感も、ピア・カウンセリングの大切な点です。自分だけが抱えていると思っていた悩みが、実は多くの人が感じていることだと気づき、気持ちが楽になることもあります。また、仲間の話を聞くことで、自分自身の状況を客観的に見つめ直し、新たな視点を得ることもできます。
ピア・カウンセリングは、問題をすぐに解決することだけを目的としているわけではありません。仲間と気持ちを分かち合い、支え合う中で、自分自身の力で問題を乗り越える力や、前向きに生きていく力をつけることを目指しています。ピア・カウンセリングは、人と人とのつながりの大切さを改めて感じさせてくれる貴重な機会となるでしょう。