自立した生活

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健康の維持

健康寿命をのばそう

健康寿命とは、医療や介護といった他者の助けを借りずに、自分の力ですべての日常生活動作を行うことができる期間のことを指します。つまり、自立した生活を送れる期間のことと考えて差し支えありません。近年よく耳にする「人生100年時代」において、ただ長生きするだけではなく、健康な状態で日常生活を送れる期間、つまり健康寿命の長さを重視する考え方が広まってきています。この考え方は、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した概念に基づいています。 具体的には、食事や入浴、着替え、トイレへの移動といった基本的な動作を自分自身で行える期間が健康寿命にあたります。これらの動作は、私たちが毎日を過ごす上で欠かせないものであり、これらが支障なく行えることは、生活の質を維持する上で非常に重要です。もし、加齢や病気などによってこれらの動作が困難になった場合、介護が必要となる可能性が高くなります。健康寿命の延伸は、単に介護の必要性を減らすだけでなく、自分らしく生き生きとした生活を長く続けるためにも重要です。 自分の足で歩き、食べたいものを自由に食べ、友人や家族と笑顔で語り合う。そんな当たり前の日常をいつまでも続けるためには、健康寿命について深く理解し、日頃から健康を意識した生活習慣を心がけることが大切です。バランスの取れた食事、適度な運動、質の高い睡眠など、健康寿命を延ばすための取り組みは様々です。これらを意識的に実践することで、より豊かで充実した人生を送ることに繋がるでしょう。健康寿命の延伸は、私たち一人一人にとって、そして社会全体にとっても重要な課題と言えるでしょう。
介護保険

自分らしい暮らしの支え

人は誰でも年を重ね、体が弱ってくるものです。歳を重ねても、住み慣れた家で、これまで通りの暮らしを続けたいと願うのは当然のことでしょう。そんな願いを叶えるための大きな支えとなるのが、介護保険制度です。介護保険は、社会全体で高齢者の暮らしを支えるための仕組みであり、40歳以上の人が加入する社会保険制度の一つです。 介護保険を利用するには、まず市区町村の窓口に申請し、要介護認定を受ける必要があります。認定調査の結果、日常生活にどの程度の支援が必要かによって、「要支援1・2」または「要介護1~5」の区分に認定されます。要支援状態とは、まだ介護が必要な状態ではないものの、日常生活に支援が必要な状態です。一方、要介護状態とは、入浴や食事、排泄などの日常生活動作に、ある程度の支援や介護が必要な状態を指します。 介護保険のサービスは多岐に渡り、自宅でサービスを受ける在宅サービスと、施設でサービスを受ける施設サービスがあります。在宅サービスには、訪問介護(ホームヘルプ)、訪問入浴介護、訪問看護、通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)などがあります。ホームヘルパーが自宅を訪問して、入浴や食事、排泄の介助、掃除や洗濯などの家事援助を行うサービスや、看護師が自宅を訪問して、医療的な処置や健康管理を行うサービスなどがあります。また、日帰りで施設に通い、入浴や食事、レクリエーションなどのサービスを受けるデイサービスもあります。 施設サービスには、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設などがあります。これらの施設では、食事や入浴、排泄などの日常生活の支援だけでなく、機能訓練や健康管理なども提供されます。介護保険を利用することで、様々なサービスを受けながら、住み慣れた地域で自分らしい生活を続けることができます。また、介護をする家族の負担を軽減することにも繋がります。介護は肉体的にも精神的にも大きな負担となるため、介護保険サービスを利用することで、家族の負担を和らげ、高齢者と家族がより良い関係を築く助けとなります。