肺機能検査

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医療

機能的残気量(FRC)とは

機能的残気量は、普段通りの呼吸をした後、自然な状態で肺の中に残っている空気の量のことを指します。言い換えると、無理に息を吐き出そうとせず、リラックスした状態で肺に残る空気の容量です。この量は、肺が正常に機能しているかを調べる上で、とても大切な目安となります。 肺の中には、常に一定量の空気が残っていることで、肺胞と呼ばれる小さな空気の袋がつぶれるのを防ぎ、次の呼吸に備えています。この残っている空気の量が機能的残気量であり、肺の柔らかさや空気の通り道の状態に大きく左右されます。 例えば、肺が硬くなって弾力性を失ってしまうと、肺は膨らんだ状態を保つことが難しくなります。そのため、自然と肺の中に残る空気の量も減少し、機能的残気量は低下します。これは、加齢や特定の病気によって起こることがあります。 反対に、空気の通り道である気道が狭くなると、肺から空気をスムーズに吐き出すことが難しくなります。その結果、肺の中に空気が溜まりやすくなり、機能的残気量は増加します。これは、ぜんそくなどの病気でよく見られる現象です。 このように、機能的残気量を測定することで、肺の弾力性や気道の状態を知ることができます。これらの情報は、呼吸器系の病気を診断したり、治療方針を決めたりする上で非常に役立ちます。機能的残気量の検査は、特殊な装置を使って行われ、肺の健康状態を詳しく把握するために重要な検査の一つです。