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医療

気管支の役割と健康

息の通り道である気管支は、肺へと空気を送り届ける大切な器官です。のどにある気管から左右の肺へと分かれ、その後も木の枝のように細かく枝分かれを繰り返しながら肺の奥深くまで広がっています。この様子は気管支樹と呼ばれ、まさに木の枝ぶりを思わせます。 気管支は、太い幹から始まり、徐々に細くなっていきます。名前もその太さに応じて変わっていき、主気管支、葉気管支、区域気管支、細気管支、終末細気管支と、まるで住所のように細かく分類されています。それぞれの気管支がそれぞれの場所で、肺に空気を取り込み、体外に二酸化炭素を排出する上で大切な役割を担っているのです。 気管支の内側は、粘膜と呼ばれる薄い膜で覆われています。この粘膜の表面には、線毛と呼ばれるごく小さな毛が無数に生えており、まるでじゅうたんのようにびっしりと敷き詰められています。この線毛は、絶えず波打つように動いており、吸い込んだ空気の中にあるほこりやちり、細菌などの異物を体外へと運び出す働きをしています。まるで、家の掃除をするように、肺の中をきれいに保っているのです。 粘膜と線毛の共同作業によって、肺の中は常に清潔に保たれ、私たちは健康な呼吸を続けることができます。この働きのおかげで、私たちは安心して呼吸をすることができるのです。まるで、見張り番のように、私たちの肺を守ってくれているのです。
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慢性肺気腫(CPE)と暮らし

慢性肺気腫(まんせいはいきしゅ)は、肺の奥深くにある小さな空気の袋、肺胞(はいほう)が壊れてしまう病気です。この病気はゆっくりと進行し、呼吸の働きがだんだん悪くなっていきます。 肺胞は、体の中に酸素を取り込み、体から二酸化炭素を出すという、大切な役割を担っています。しかし、慢性肺気腫になると、この肺胞の壁が壊れてしまい、十分な酸素を体に取り込めなくなります。そのため、息苦しさや呼吸がつらいといった症状が現れます。病気が進むと、日常生活に大きな影響が出て、常に酸素を吸わなければならない状態になることもあります。 慢性肺気腫の主な原因は、長年の喫煙です。有害な物質を含む煙を長い間吸い続けると、肺に炎症が起き、肺胞が壊れてしまいます。また、大気汚染や仕事で粉じんを吸ってしまうこと、生まれつきの体質なども、この病気に関係していると考えられています。 慢性肺気腫は、残念ながら完全に治すことは難しい病気です。しかし、早く見つけてきちんと治療すれば、病気が進むのを遅らせ、症状を軽くすることができます。 禁煙は、慢性肺気腫の予防と治療において最も大切なことです。まだ病気になっていない人は、発症を防ぐために、そして既に病気の人も、病状の悪化を抑えるために、禁煙することが必要不可欠です。規則正しい生活とバランスのとれた食事を心がけ、医師の指示に従って薬をきちんと飲み、呼吸訓練などのリハビリテーションに取り組むことも大切です。