発熱

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誤嚥性肺炎を予防するために

誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物、つば、胃の中の液などが誤って気管に入り込み、肺に炎症を起こす病気です。 通常、私たちは物を飲み込む時に、のど仏が上がり、気管の入り口に蓋をする働きが自然と起こります。この反射によって、食べ物などが肺に入るのを防いでいるのです。しかし、加齢に伴う体の機能の衰えや、脳卒中などの病気の影響で、この飲み込む機能が低下することがあります。すると、本来食道へ送られるべきものが気管に入り込んでしまう「誤嚥」が起きやすくなります。 特にご高齢の方や、脳卒中の後遺症、パーキンソン病などの神経の病気を患っている方は、飲み込む力が弱くなりやすく、誤嚥性肺炎になる危険性が高まります。口の中に食べ物が残っていたり、うまく飲み込めなかったりする状態が続くと、細菌が繁殖しやすくなります。誤嚥した物の中に細菌が含まれていると、肺の中で炎症が広がり、肺炎へと発展します。 誤嚥性肺炎の初期症状としては、熱が出たり、咳が出たり、たんが絡んだり、息苦しさを感じたりすることが挙げられます。 肺炎が重症化すると、呼吸がうまくできなくなる呼吸不全や、血液に細菌が入り込んで全身に炎症が広がる敗血症を引き起こすこともあり、命に関わる危険な病気です。 普段から、食事の姿勢に気を付けたり、よく噛んでゆっくり飲み込むことを意識したりすることで、誤嚥を予防することができます。また、定期的な健康診断や、専門家による飲み込む機能の評価を受けることも大切です。少しでも異変を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
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髄膜炎検査:ルンバールについて

腰椎穿刺という検査は、脳と脊髄を包む液体である髄液を採取するために行われます。この検査は一般的に「ルンバール」と呼ばれています。髄液は、脳と脊髄を保護するクッションのような役割を果たしており、その成分を調べることで、様々な病気の有無を判断することができます。 髄液検査が必要となるのは、主に頭痛、高い熱、意識がはっきりしないといった症状が見られる場合です。これらの症状は、髄膜炎や脳炎といった命に関わる可能性のある重大な病気を示唆していることがあります。髄膜炎は、脳と脊髄を覆う膜に炎症が起こる病気であり、脳炎は脳そのものに炎症が起こる病気です。どちらも早期の診断と治療が非常に重要です。 採取した髄液は、見た目(色や濁り具合)、細胞の数、含まれるたんぱく質や糖の量などを分析します。これらの分析結果から、髄膜炎や脳炎かどうかを判断するだけでなく、他の神経系の病気がないかどうかも調べることが可能です。例えば、ギラン・バレー症候群や多発性硬化症といった病気も、髄液検査によって診断の手がかりを得ることができます。 また、既に治療を受けている患者さんの場合、治療の効果がどれくらい出ているかを判断するためにも腰椎穿刺は有用です。治療前に採取した髄液と、治療後に採取した髄液を比較することで、治療の効果を客観的に評価することができます。さらに、抗菌薬など、直接髄液の中に薬を投与する必要がある場合にも、この腰椎穿刺を用います。 このように腰椎穿刺は、病気の診断、他の病気との区別、治療の効果判定、そして薬剤投与など、様々な目的で用いられる重要な検査です。適切な診断と治療に結びつけるために欠かせない検査と言えるでしょう。
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風疹について知ろう

風疹は、風疹ウイルスによって起こる、人から人へとうつる病気です。主な症状として、熱が出たり、体に赤い発疹が出たり、首や耳の後ろにあるリンパ節が腫れたりします。 風疹ウイルスは、咳やくしゃみによって空気中に飛び散り、それを吸い込むことで感染します。これが飛沫感染と呼ばれるものです。また、感染者と直接、近い距離で接することでも感染する可能性があります。感染してから症状が出るまでは、およそ2週間から3週間かかります。この間を潜伏期間と言います。 風疹は、特に妊娠初期の女性にとって注意が必要な病気です。妊娠中に風疹ウイルスに感染すると、ウイルスが胎盤を通って赤ちゃんに感染し、先天性風疹症候群という病気を引き起こす可能性があります。この病気は、生まれてくる赤ちゃんに、目が見えにくくなる白内障、耳が聞こえにくくなる難聴、心臓の病気、そして発達に遅れが出るなどの重い障害を引き起こすことがあります。そのため、妊娠を希望している女性、特に妊娠初期の女性は、風疹に対する抵抗力(免疫)があるかどうかを検査し、もし免疫がない場合は予防接種を受けることが大切です。 風疹は、子どもがかかりやすい病気という印象がありますが、大人でも感染する可能性は十分にあります。風疹に対する免疫がない、または免疫が低い人は、感染する危険性が高まります。また、風疹は感染力がとても強い病気なので、周囲に広がりやすいという特徴もあります。もし周りに感染している人がいる場合は、感染しないための対策をしっかり行うことが重要です。 風疹を予防する上で最も効果的なのは、予防接種です。予防接種は、国が定めた定期予防接種の対象となっていますので、積極的に受けるようにしましょう。また、感染している人と接することを避けたり、手洗いやうがいといった基本的な衛生習慣を身につけることも大切です。風疹の流行を防ぐためには、一人ひとりが予防について意識を高め、適切な対策を行うようにしましょう。