基準時間

記事数:(1)

介護保険

要介護認定と基準時間

高齢化が進む中で、介護が必要となる場面が増えています。公的な介護保険サービスを受けるためには、「要介護認定」を受けることが必要です。この認定を受けることで、どれくらいの介護が必要なのかを客観的に判断してもらい、必要なサービスを受けることができます。 要介護認定を受けるには、まず市町村の窓口に申請を行います。申請後、認定調査員が自宅を訪問し、日常生活の状況について聞き取り調査を行います。食事や入浴、着替え、排泄といった日常生活動作のどれくらいに手助けが必要なのか、また、家事や買い物などの生活行為がどの程度できるのかなどを詳しく調べます。この調査では、聞き取りだけでなく、実際に動作を見せてもらうこともあります。 訪問調査と並行して、主治医による意見書の作成も必要です。かかりつけのお医者さんに、現在の病気の状態や日常生活での支障について書いてもらいます。これらの情報と合わせて、「要介護認定等基準時間」を用いて、介護の必要度が算定されます。これは、入浴や食事、排泄などの日常生活動作に必要な介助の時間を合計したものです。時間が長いほど、介護の必要度が高いと判断されます。 これらの情報を基に、市町村の介護認定審査会が総合的に審査を行い、要支援1、要支援2、要介護1から要介護5までの7段階の区分に認定されます。要支援1、要支援2と認定された場合は、予防サービスが利用できます。これは、介護が必要にならないように、心身の状態の維持・向上を目指すサービスです。例えば、運動器の機能向上訓練や栄養改善の指導、口腔機能向上のためのサービスなどが受けられます。 要介護1から要介護5に認定された場合は、訪問介護やデイサービス、ショートステイなど、様々な介護サービスを利用することができます。要介護度が高くなるほど、利用できるサービスの種類や利用限度額が増えます。例えば、要介護1では自宅での訪問介護サービスやデイサービスなどが利用できますが、要介護5になると、さらに幅広いサービスを利用することができます。 このように、要介護認定は、自分に合った介護サービスを受けるためにとても大切な手続きです。介護が必要だと感じたら、早めに市町村の窓口に相談してみましょう。