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医療

ムンテラとインフォームド・コンセント

ムンテラという言葉は、ドイツ語の口を表すムント(Mund)と治療を表すテラピー(Therapie)を組み合わせたものです。つまり、口頭での治療を意味し、医師が患者さんやそのご家族に病状や治療方針などを口頭で説明する行為を指します。 かつての医療現場では、ムンテラは医師から患者さんへの一方的な情報伝達として行われることが一般的でした。医師は専門知識に基づいて最善の治療法を決め、患者さんはそれに従うのが当然という時代もありました。医療は医師中心に進められ、患者さんは医師の指示に従うだけで、自分の治療について深く考える機会は少なかったのです。 しかし、時代とともに医療技術は進歩し、患者さんの権利意識も高まってきました。今では患者さん中心の医療が重要視され、ムンテラも大きく変化しました。医師と患者さんが対等な立場で話し合い、治療方針を決めていくための意思疎通の手段として捉え直されているのです。医師は一方的に説明するだけでなく、患者さんの言葉に耳を傾け、疑問や不安に丁寧に答えることが求められます。 つまり、患者さんが医師の説明に納得し、同意した上で治療を進めることが大切になったのです。これは患者さん自身の決定する権利を尊重し、より良い医療を提供するために欠かせない過程です。ムンテラは単なる説明ではなく、医師と患者さんの間に信頼関係を築き、治療への協力を得るための大切な第一歩と言えるでしょう。