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ラコール:経腸栄養の基礎知識

「ラコール」とは、口から十分な量の食事を摂ることが難しい方々のために、必要な栄養を補うための医療用食品です。たとえば、病気や加齢によって、噛む力や飲み込む力が弱くなった方、食欲が落ちて食事量が減ってしまった方、手術後などで消化機能が低下している方などが利用しています。 ラコールは、私たちが健康に生きていくために欠かせない五大栄養素(糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル)をはじめ、体に必要な栄養素をバランスよく配合しています。そのため、通常の食事から十分な栄養を摂れない場合でも、ラコールを補助的に利用することで、栄養状態を維持・改善することができます。 ラコールには、飲むタイプの液状のものと、チューブを使って胃や腸に直接注入するタイプのものがあります。飲むタイプは、味が調整されているものもあり、比較的簡単に栄養補給ができます。一方、チューブを使うタイプは、意識がはっきりしない方や、飲み込むことが困難な方でも栄養を補給することができます。 ラコールを点滴と比較した場合、ラコールは消化管を使うため、より自然な形で栄養を吸収できるという利点があります。また、消化管を使うことで、消化管の機能低下を防ぐ効果も期待できます。点滴は、血管に直接栄養を注入する方法ですが、緊急時や消化管を使えない場合などに用いられます。 ラコールは医師の指示のもとで、個々の状態に合わせて適切な種類と量が選択されます。自己判断で使用せず、医師や栄養士などの専門家と相談しながら、安全かつ効果的に利用することが大切です。