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造影CT検査:より詳しく体の中を見る

造影コンピュータ断層撮影(造影CT検査)とは、身体の断面画像を撮影する検査であるコンピュータ断層撮影(CT検査)の一種です。CT検査では、X線を使って体の内部を撮影しますが、造影CT検査では、造影剤と呼ばれる薬を血管に注射することで、臓器や血管をより鮮明に映し出すことができます。 造影剤は、X線をよく吸収する性質があるため、CT画像上では白く表示されます。このため、通常の状態では見分けにくい病変や血管の異常などを、はっきりと確認できるようになります。例えば、がんの早期発見や、血管の狭窄や閉塞といった病気の診断に役立ちます。 造影剤を使わないCT検査は、単純CT検査と呼ばれています。単純CT検査と造影CT検査は、検査の目的によって使い分けられています。単純CT検査は、主に骨や肺、脳などの状態を把握するのに用いられます。一方、造影CT検査は、臓器の腫瘍や炎症、血管の病変など、より詳しい情報を得る必要がある場合に行われます。 このように、造影CT検査は、単純CT検査では得られない詳細な情報を提供することで、より正確な診断を可能にする重要な検査方法です。近年では、技術の進歩により、少ないX線量で、より鮮明な画像を得られるようになってきており、患者さんの負担軽減にもつながっています。また、撮影時間も短縮され、検査にかかる時間が短くなっていることも、患者さんにとって大きなメリットと言えるでしょう。