労働環境

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介護職

通し夜勤の負担軽減策

通し夜勤とは、昼間の勤務(日勤)を終えた後、そのまま夜間の勤務(夜勤)に入り、翌朝まで働く勤務形態です。つまり、一晩中働き続けることを意味します。 主に、病院や介護施設など、24時間体制で人々の生活を支える現場で採用されています。これらの現場では、常に誰かが勤務している必要があり、利用者の方々に切れ目のないサービスを提供するために、通し夜勤は重要な役割を担っています。特に、近年深刻化する人材不足の解消や、業務の引き継ぎをスムーズに行うためにも、通し夜勤は有効な手段として位置づけられています。 しかし、通し夜勤は労働時間が非常に長くなるため、そこで働く人々の心身への負担は無視できません。長時間労働は、集中力の低下や判断力の鈍化を招き、医療ミスや介護事故のリスクを高める可能性があります。また、睡眠不足や疲労の蓄積は、健康を損なう大きな要因となり、生活リズムの乱れや免疫力の低下にもつながります。 そのため、通し夜勤を行う事業者は、そこで働く人々の健康を守り、働きやすい環境を作るための対策が必要です。十分な休憩時間や仮眠時間を確保することはもちろん、夜勤明けの休息を十分に取れるように、次の勤務開始時刻までの間隔(勤務間インターバル)を適切に設定することも重要です。労働基準法などの法律を遵守することは当然のこと、それぞれの職員の生活状況や健康状態に配慮した、柔軟な勤務体制の構築が求められています。無理のない勤務体制を作ることで、職員の健康を守り、より質の高いサービス提供体制を維持することができるでしょう。
介護職

みんなで仕事、みんなで安心

仕事の手分け、つまり複数人で一つの仕事を分け合う働き方について考えてみましょう。これは分かち合いの働き方とも言われ、一人の肩に全ての仕事がのしかかるのではなく、仲間同士で支え合いながら仕事を進めていくやり方です。 仕事の重荷を軽くするだけでなく、一人ひとりの働き方に融通性を持たせることが出来るのも大きな利点です。例えば、子育て中の母親や、介護を担っている人などは、フルタイムで働くのが難しい場合もあります。分かち合いの働き方を取り入れることで、こうした人たちも能力を発揮し、社会に貢献できる機会が増えます。オランダでは、こうした働き方が広く受け入れられ、人々の生活の質を高めることに役立っているそうです。 一方、日本ではまだ、分かち合いの働き方はあまり浸透していません。その理由として、会社の習慣や雇用に関する決まりが挙げられます。日本では、昔から長時間労働が当たり前とされ、一つの仕事を最初から最後まで一人でやり遂げるのが美徳とされてきました。また、正社員と非正規社員の待遇の差も大きく、分かち合いの働き方を導入する際の障害となっています。 しかし、分かち合いの働き方には大きな可能性が秘められています。働く時間や仕事の内容を調整することで、様々な事情を抱えた人たちが活躍できる場を作り出せます。子育てや介護、あるいは病気療養など、様々な理由でフルタイム勤務が難しい人でも、自分のペースで仕事に取り組むことができます。また、多様な人材が活躍することで、会社全体の仕事の効率も上がり、新しい発想や視点が生まれる可能性も高まります。 今後、日本でも分かち合いの働き方の良さがもっと理解され、多くの会社で取り入れられるようになることを願います。そうすれば、もっと働きやすい社会が実現し、誰もが自分の能力を活かして生き生きと働けるようになるのではないでしょうか。