他記式調査

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介護保険

自分の手で書く調査:自記式調査

自記式調査とは、調査を受ける人が自ら質問票に記入して回答する調査方法です。文字通り、自分で記録する形式の調査のことです。この方法は、特に介護や福祉の分野で、サービスの必要性を判断するために活用されています。 例えば、要介護認定を申請する場合を考えてみましょう。申請を行うと、日常生活でどの程度の援助が必要なのか、食事や着替え、移動といった動作をどの程度自分で行えるのかなどを問う質問票が送られてきます。この質問票に自分で記入して返送する行為が、まさに自記式調査にあたります。 自記式調査には、いくつかの利点があります。まず、自分の状況を一番よく理解しているのは本人です。そのため、他の人に説明するよりも、より正確な情報を提供できる可能性が高くなります。また、他の人に聞かれることなく、自分のペースでじっくり考えながら回答できるため、プライバシーに配慮した調査方法と言えます。落ち着いて考えられる環境で、正直に回答しやすいというメリットもあります。さらに、調査員を派遣する必要がないため、調査にかかる費用や時間を抑えることもできます。多くの調査対象者に同時に調査を実施できるため、効率的な調査方法として広く用いられています。 一方で、文字が読めない人や、認知機能の低下により質問を理解するのが難しい人には、自記式調査は適していません。このような場合には、家族や支援者などが代わりに回答する代行回答、あるいは調査員が直接質問して回答を得る面接式調査などが用いられます。状況に応じて適切な調査方法を選択することが大切です。