ヤングケアラー

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ヤングケアラー:子どもたちの見えない負担

「ヤングケアラー」という言葉をご存知でしょうか。これは、18歳未満の子どもが、家族の世話や介護を日常的に担っている状態を指します。この言葉はイギリスで生まれ、近年、日本でもその存在が注目を集めるようになってきました。 ヤングケアラーとなっている子どもたちは、様々な事情を抱える家族のために、大人のような責任を負い、負担を抱えています。世話や介護が必要な家族は、親や兄弟姉妹、祖父母など様々です。病気や怪我、障害、精神的な問題、あるいは依存症など、家族が抱える問題は多岐にわたります。 子どもたちが担っている役割も、食事の準備や後片付け、入浴やトイレの介助、着替えの手伝い、通院の付き添い、薬の管理、家事全般など、多岐にわたります。幼い兄弟姉妹の世話や、精神的に不安定な家族への感情面の支えを求められる場合もあります。こうした状況は、子どもたちの心身の発達に大きな影響を及ぼす可能性があります。 学校での勉強に集中できない、友達と遊ぶ時間がない、自分の将来を考える余裕がないなど、子ども時代を子どもらしく過ごすことが難しくなっている場合も少なくありません。また、過剰な責任感や不安、孤独感を抱え、精神的に追い詰められてしまう子どももいます。 このようなヤングケアラーの現状を、私たちはしっかりと認識する必要があります。子どもたちが過度な負担を強いられることなく、健やかに成長できるよう、社会全体で支える仕組みづくりが求められています。