
疥癬の基礎知識と対処法
疥癬は、ヒゼンダニという目に見えないほど小さなダニが、人の皮膚の一番上の層に入り込んで暮らすことで起こる皮膚の病気です。このダニは、皮膚にトンネルのような巣穴を掘り進み、卵を産み付けます。これが強い痒みを引き起こす原因です。痒みは特に夜やお風呂上がりなど、体が温まった時にひどくなります。これは、ダニの活動が活発になるためです。
この痒みは我慢するのが難しく、かきむしってしまうことが多いです。しかし、かきむしると皮膚が傷つき、細菌による感染症などを引き起こす二次感染の危険があります。また、かきむしった手で他の部分を触ると、ダニが移動して全身に広がることもあります。
疥癬は、人から人へとうつりやすい病気です。肌と肌が直接触れ合うことで感染するだけでなく、寝具や衣類、タオルなどを共有することでも感染することがあります。そのため、家族や共同生活を送る人たちの間で感染が広がりやすいです。保育園、幼稚園、学校、高齢者施設など、多くの人が一緒に生活する場では、集団感染の発生も少なくありません。
疥癬は、適切な治療を行えば治る病気です。しかし、放置すると痒みが続くだけでなく、二次感染のリスクも高まります。また、周囲の人へ感染を広げてしまう可能性もあります。少しでも疥癬の疑いがある場合は、早めに皮膚科を受診し、検査と適切な治療を受けることが大切です。医師の指示に従って薬を塗り、感染拡大を防ぐために、寝具や衣類、タオルなどは熱湯で洗い、日光に当てて乾燥させるなど、適切な衛生管理を行うようにしましょう。