めまい:原因と対処法

めまい:原因と対処法

介護を学びたい

先生、「めまい」って高齢者によくあるって聞きますけど、介護と介助をする上で何か気を付けることはありますか?

介護の研究家

良い質問だね。めまいは高齢者に多く見られる症状で、転倒の危険性が高いんだ。介護や介助をする際は、急に立ち上がったり、頭を動かしたりする際に、めまいが起きないよう注意が必要だよ。

介護を学びたい

なるほど。具体的にはどのような介助をすれば良いでしょうか?

介護の研究家

立ち上がるときは、介助者が支えになり、ゆっくりと動作を行うように促す。また、めまいを感じた場合は、すぐに座らせるか、横になるようにして、安全を確保することが大切だよ。めまいの原因や症状は様々なので、日頃からよく観察し、異変に気付いたら医師に相談することも忘れずに行おう。

めまいとは。

「介護」と「介助」について。今回は『めまい』について説明します。めまいとは、三半規管などの異常によって平衡感覚がおかしくなり、まるで動いているかのような、不快で変な感じがすることです。めまいは、特に年を重ねた人に多く見られます。めまいの種類は大きく分けて、耳の異常が原因の末梢性めまいと、脳の異常が原因の中枢性めまいの2つがあります。60歳までは耳が原因のめまいが多く、60歳を過ぎると耳が原因のめまいと脳が原因のめまいが同じくらいになり、70歳を過ぎると脳が原因のめまいが多くなると言われています。

めまいの定義

めまいの定義

「めまい」とは、自分自身あるいは周囲の景色が動いているように感じる、実際とは異なる感覚のことです。具体的には、景色がぐるぐる回って見える、体がふらつく、傾いているように感じる、あるいは地面が揺れているように感じるなど、様々な体験として現れます。これらの感覚は、立っていられないほどの強いものから、ほんの少し気になる程度のものまで、その程度は様々です。また、数秒で治まることもあれば、数日続くなど、持続時間も人によって大きく異なります。

めまいは、それ自体が病気というわけではなく、何らかの原因によって引き起こされる症状です。その原因は実に多岐にわたり、耳の病気(例えば、良性発作性頭位めまい症、メニエール病など)が原因となることもあれば、脳の病気(例えば、脳梗塞、小脳出血など)が関わっている場合もあります。また、貧血や低血圧、脱水症状といった体の状態や、過労や睡眠不足、精神的なストレス、自律神経の乱れなどによってもめまいが生じることがあります。

めまいを感じた時は、まず安静にすることが大切です。楽な姿勢で休むことで、症状が落ち着くこともあります。しかし、何度も繰り返すめまいや、激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状を伴う場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。自己判断で放置すると、重大な病気が隠れている可能性を見逃してしまう危険性があります。医師による適切な診断と治療を受けることで、原因に応じた対処法を知り、めまいを改善していくことができます。日常生活に支障をきたすほどのめまいに悩んでいる方は、我慢せずに医療機関に相談することが重要です。

項目 詳細
めまいの定義 自分自身あるいは周囲の景色が動いているように感じる、実際とは異なる感覚
めまいの症状 景色がぐるぐる回る、体がふらつく、傾いている、地面が揺れている
めまいの程度 立っていられないほどの強いものから、ほんの少し気になる程度のものまで様々
めまいの持続時間 数秒から数日まで、人によって様々
めまいの原因 耳の病気(良性発作性頭位めまい症、メニエール病など)、脳の病気(脳梗塞、小脳出血など)、貧血、低血圧、脱水症状、過労、睡眠不足、精神的なストレス、自律神経の乱れなど
めまいを感じた時の対処法 安静にする。症状が続く場合や他の症状を伴う場合は医療機関を受診する。
受診の目安 何度も繰り返す、激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状を伴う場合

めまいの種類

めまいの種類

めまいは、大きく分けて二つの種類に分けられます。一つは、耳の不調からくる末梢性めまい、もう一つは脳の不調からくる中枢性めまいです。

末梢性めまいは、耳の奥にある、体のバランスを保つための器官に異常が起きることで起こります。この器官には、三半規管や耳石器などがあり、体の傾きや動きを感じ取る役割を担っています。これらの器官に異常が生じると、脳に誤った情報が送られ、めまいが生じます。末梢性めまいには、目が回るような回転性のめまい、体が浮いているような浮動性のめまい、地面が揺れているように感じる動揺性のめまいなど、様々な種類があります。代表的な病気としては、良性発作性頭位めまい症やメニエール病などがあります。これらの病気は、比較的若い世代にも起こりえます。

一方、中枢性めまいは、脳に異常が起きることで起こります。例えば、脳の血管が詰まる脳梗塞や、脳に腫瘍ができる脳腫瘍などが原因となります。その他にも、小脳出血や多発性硬化症なども中枢性めまいの原因となることがあります。中枢性めまいの症状は、ふらつきや立ちくらみ、目の前が暗くなるなど様々です。回転性のめまいが起こることもありますが、末梢性めまいとは異なり、吐き気や耳鳴りを伴わない場合もあります。特に高齢者の場合、血管の老化などが原因で中枢性めまいが起こる危険性が高まります。めまいを感じたら、すぐに医療機関を受診することが大切です。

めまいは種類によって原因も治療法も違います。自己判断せずに、医師による適切な診察と診断を受けることが重要です。早期に適切な治療を開始することで、めまいの症状を改善し、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。

種類 原因 症状 代表的な病気 その他
末梢性めまい 耳の奥の平衡器官(三半規管、耳石器など)の異常 回転性めまい、浮動性めまい、動揺性めまいなど 良性発作性頭位めまい症、メニエール病 比較的若い世代にも起こりうる
中枢性めまい 脳の異常(脳梗塞、脳腫瘍、小脳出血、多発性硬化症など) ふらつき、立ちくらみ、目の前が暗くなる、回転性めまい(吐き気や耳鳴りを伴わない場合もある) 脳梗塞、脳腫瘍、小脳出血、多発性硬化症 高齢者に多い

高齢者におけるめまい

高齢者におけるめまい

高齢になると、多くの人がめまいを経験します。これは、体のバランスを保つ機能が衰えたり、脳への血液の流れが悪くなることが原因です。めまいには大きく分けて二つの種類があります。一つは、耳の奥にある平衡感覚をつかさどる器官の異常が原因で起こる末梢性めまいです。もう一つは、脳の異常が原因で起こる中枢性めまいです。

一般的に、60歳までは耳に原因がある末梢性めまいが多く見られます。しかし、60歳を過ぎると末梢性めまいと中枢性めまいの発生する割合はほぼ同じになり、70歳を超えると脳に原因がある中枢性めまいの割合が増えてきます。

高齢者の場合、めまいによって転倒し、骨折などの大きなけがにつながる危険性が高いため、特に注意が必要です。めまいを感じた時は、まず落ち着いて、無理に動かないようにしましょう。安全な場所に座るか、横になるのが良いでしょう。めまいが治まっても、すぐに立ち上がらず、しばらく様子を見るようにしてください。

めまいが繰り返し起こる場合や、激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状を伴う場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。医師による適切な検査と治療を受けることが重要です。自己判断で市販薬を服用するのではなく、必ず医師の指示に従ってください。早期に適切な対応をすることで、めまいによる転倒やけがの危険性を減らすことができます。

めまいの種類 原因 年齢による傾向 対処法 受診の目安
末梢性めまい 耳の奥にある平衡感覚をつかさどる器官の異常 60歳まで多く、その後は中枢性めまいとほぼ同じ割合 落ち着いて無理に動かない、安全な場所に座るか横になる、しばらく様子を見る 繰り返し起こる場合、激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状を伴う場合
中枢性めまい 脳の異常 70歳を超えると割合が増える

めまいの検査

めまいの検査

ぐるぐる回るような、あるいはふわふわと浮いたような、立ちくらみのような感覚、これらは全て「めまい」と呼ばれる症状であり、その原因は実に様々です。めまいの原因を正しく突き止め、適切な対処をするためには、いくつかの検査が必要となります。

まず初めに、医師は患者さんから詳しく話を聞きます。これは問診と呼ばれ、めまいがどのように感じるのか、いつから始まったのか、どのくらいの時間続くのか、どんな時に起こりやすいのかなどを詳しく尋ねます。同時に、他に何か症状がないか、過去にどのような病気をしたことがあるかなども確認します。

次に、身体を診察します。これは身体検査と呼ばれ、眼球の動きや、立っている時の体の揺れなどを観察します。これらの検査から、めまいを引き起こしている可能性のある異常がないかを探ります。

さらに必要に応じて、耳や脳の状態を調べるための検査を行います。聴力検査では、音をどのくらい聞き取れるかを調べ、平衡機能検査では、体のバランスを保つ機能に異常がないかを調べます。また、コンピュータ断層撮影(CT)や磁気共鳴画像法(MRI)といった画像検査を行い、耳や脳の詳しい状態を画像で確認することもあります。

これらの検査結果を総合的に判断することで、めまいの種類や原因を特定し、患者さん一人ひとりに合った治療方針を決定します。めまいは、放置しておくと日常生活に支障をきたすだけでなく、重大な病気の兆候である場合もあります。ですから、自己判断せずに医療機関を受診し、専門医による適切な診断と治療を受けることが大切です。

検査の種類 内容 目的
問診 めまいの症状、発症時期、持続時間、発症しやすい状況、他の症状、既往歴などを確認 めまいの原因を特定するための情報収集
身体検査 眼球の動き、立っている時の体の揺れなどを観察 めまいを引き起こす可能性のある異常の有無を確認
聴力検査 音をどのくらい聞き取れるかを調べる 聴力に異常がないかを確認
平衡機能検査 体のバランスを保つ機能に異常がないかを調べる 平衡感覚に異常がないかを確認
画像検査 (CT, MRI) 耳や脳の詳しい状態を画像で確認 耳や脳に異常がないかを確認

めまいの対処法

めまいの対処法

目が回るような感覚、つまりめまいは、多くの場合、日常生活に支障をきたすやっかいな症状です。めまいが生じる原因は実に様々で、耳の病気、脳の病気、精神的な問題、更には血圧の変動や貧血など、多岐に渡ります。そのため、めまいの対処法は、その根本原因を特定することが最重要となります。まずは医療機関を受診し、専門家による診断を受けることが大切です。

めまいを引き起こす原因が耳の病気である場合、例えば良性発作性めまい症であれば、耳石 repositioning という特別な体操を行うことで改善が見られることがあります。また、メニエール病など内耳の異常が原因の場合は、水分や塩分の摂取量を調整するなど、生活習慣の見直しが必要となるケースもあります。医師の指示に従い、適切な薬を服用することも重要です。

脳の病気が原因でめまいが起こる場合は、状況はより深刻になります。脳梗塞や脳腫瘍といった命に関わる病気が潜んでいる可能性もあるため、迅速な検査と治療が不可欠です。

精神的なストレスや不安が原因でめまいが生じる場合は、心療内科や精神科の受診が適切です。カウンセリングや薬物療法、リラクセーション法などを用いて、心の状態を整えることがめまいの改善に繋がります。

また、低血圧や貧血が原因でめまいがする場合は、水分をこまめに摂取したり、鉄分を多く含む食品を積極的に摂るなど、食生活の改善が有効です。

めまいを感じた際は、決して自己判断せず、必ず医療機関を受診しましょう。めまいの原因を特定し、適切な対処法を行うことで、症状の改善、そして再発の予防に繋がります。そして、日常生活を快適に送るために、早期の対応が重要です。

めまいの原因 対処法 備考
耳の病気
(良性発作性めまい症、メニエール病など)
耳石 repositioning
生活習慣の見直し(水分・塩分調整)
薬物療法
医師の指示に従う
脳の病気
(脳梗塞、脳腫瘍など)
迅速な検査と治療 命に関わる可能性あり
精神的な問題
(ストレス、不安など)
心療内科・精神科受診
カウンセリング
薬物療法
リラクセーション法
心の状態を整える
低血圧、貧血 水分摂取
食生活改善(鉄分摂取など)