声のかすれ:嗄声について
介護を学びたい
先生、「嗄声」って高齢者によくあるって聞きましたが、介護と介助の場面で何か関係ありますか?
介護の研究家
そうだね。高齢者はのどや声帯の筋力が衰えたり、縮んだりしやすいため、声がれやすくなるんだ。つまり「嗄声」になりやすい。これが食事の際のむせや誤嚥につながることもあるから、介護や介助において注意が必要なんだよ。
介護を学びたい
なるほど。具体的にどんなことに気をつければいいですか?
介護の研究家
食事の介助の時は、よく聞き取って本人が何を食べたいか理解すること、そして、食べ物を口に運ぶ速さや量を調節して、むせないように注意深く見守ることが大切だね。また、話しかけるときは、相手の声が聞き取りづらいこともあるから、よく耳を傾けて、ゆっくりと話しかけることも重要だよ。
嗄声とは。
「介護」と「介助」について説明する中で、「嗄声(させい)」という用語が出てきます。嗄声とは、声がかすれたり、しわがれたりする症状のことです。これは、声帯に異常が生じ、うまく振動させることができなくなることが原因です。声帯や、声を出すことに関係する神経に何らかの異常が発生することで起こります。特にご高齢の方は、のどや喉頭の筋肉が弱くなったり、声帯が縮んだりすることで、嗄声や飲み込みにくさを経験しやすくなります。また、一時的に大きな声を出すことで起こる急性喉頭炎や声帯炎、声帯ポリープ、喉頭がんといった病気も嗄声の原因となることがあります。
嗄声とは
嗄声(させい)とは、一般的に声枯れやしゃがれ声と呼ばれる状態のことです。普段私たちが声を出す際には、喉にある声帯と呼ばれる器官が滑らかに振動しています。この声帯の動きが、何らかの原因で邪魔されると、本来の澄んだ声が出にくくなり、嗄声と呼ばれる状態になります。
嗄声になると、声がかすれたり、詰まったような感じになったり、さらには声自体が出にくくなるといった症状が現れます。まるで喉に何かが詰まっているような異物感や、声を出す際に違和感や痛みを感じる場合もあります。また、いつもより大きな声を出そうとして、かえって喉に負担がかかり、症状が悪化してしまうこともあります。
嗄声の原因は様々で、風邪などの感染症による炎症や、声の使い過ぎ、アレルギー、喫煙、さらには腫瘍などの重大な病気が隠れている場合もあります。一時的な嗄声であれば、安静にしていれば自然に治癒することも少なくありません。しかし、二週間以上も嗄声が続く場合や、声が出ない、呼吸が苦しい、喉に強い痛みがあるといった症状を伴う場合は、速やかに耳鼻咽喉科などの医療機関を受診することが大切です。自己判断で放置せず、専門医による適切な診断と治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、早期回復を目指すことができます。場合によっては、内科や外科など、他の診療科の受診が必要となるケースもありますので、医師の指示に従いましょう。日常生活で大きな声を出す機会が多い方や、歌手、声優など声を使う職業の方は、特に声帯のケアに気を配り、嗄声の予防に努めることが重要です。
嗄声(させい)とは | 声枯れやしゃがれ声。声帯の滑らかな振動が邪魔されることで起こる。 |
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症状 | 声のかすれ、詰まった感じ、声が出にくい、異物感、違和感、痛み、声を出そうとすると悪化 |
原因 | 風邪などの感染症、声の使い過ぎ、アレルギー、喫煙、腫瘍など |
経過と対応 | 一時的なものなら自然治癒することもある。2週間以上続く場合、声が出ない、呼吸が苦しい、喉に強い痛みがある場合は耳鼻咽喉科などを受診。 |
高齢者における嗄声
人は誰でも年を重ねると、体の様々なところに変化が現れます。声に関しても例外ではなく、高齢になると声のかすれ、いわゆる嗄声に悩む方が増えてきます。これは、老化によって喉の筋肉が衰えたり、声帯が薄く萎縮したりすることで、声帯の振動が不安定になることが主な原因です。
声帯の振動がうまくいかなくなると、本来滑らかであるべき声が、かすれたり、震えたり、かすれたりといった嗄声の症状が現れます。また、加齢に伴い、食べ物を飲み込む力、つまり嚥下機能も低下しやすくなります。飲み込む力が弱まると、食べ物や飲み物が誤って気管に入ってしまう、誤嚥の危険性が高まります。誤嚥を繰り返すと、誤嚥性肺炎などの呼吸器系の病気を引き起こす可能性があり、注意が必要です。このような場合は、食事の形態を調整したり、適切な姿勢で食事を摂ったり、口腔ケアをきちんと行うなどの工夫が大切です。専門家による指導を受けることで、誤嚥のリスクを減らすことができます。
高齢者の嗄声は、「年のせいだから」と安易に考えて放置せず、その原因をきちんと探ることが重要です。嗄声は、加齢による変化以外にも、声帯ポリープや声帯結節などの良性の病気が原因である場合もあります。さらに、まれにですが、喉頭がんのような深刻な病気が隠れている可能性も否定できません。少しでも気になる症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科などの医療機関を受診し、専門医による診察を受けることをお勧めします。適切な診断と治療を受けることで、声のトラブルを改善し、より快適な生活を送ることができるでしょう。
高齢者の声の変化 | 詳細 | 対策 |
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嗄声(かすれ声) | 老化による喉の筋肉の衰えや声帯の萎縮で声帯振動が不安定になる。 | 放置せず、耳鼻咽喉科を受診 |
嚥下機能低下 | 加齢に伴い飲み込む力が低下。誤嚥の危険性増加。 | 食事形態調整、適切な食事姿勢、口腔ケア、専門家指導 |
嗄声の原因 | 加齢以外にも声帯ポリープ、声帯結節、喉頭がん等の可能性あり。 | 早めに耳鼻咽喉科を受診 |
嗄声の主な原因
声がかすれる、いわゆる嗄声には様々な原因が考えられます。主な原因の一つとして、声の出し過ぎによる急性喉頭炎が挙げられます。例えば、カラオケで何時間も歌ったり、スポーツ観戦で大声で応援したりした後、声がかすれてしまう経験はありませんか?これは、声帯に負担がかかり、炎症を起こしている状態です。無理に声を出すと悪化させてしまうため、安静にして回復を待つことが大切です。
次に、声帯ポリープと声帯結節についてお話します。これらは声帯にできる良性の腫瘤(できもの)です。声帯ポリープは、声帯の粘膜下に液体が溜まってできる袋状の腫瘤で、多くは片側の声帯に発生します。一方、声帯結節は、両側の声帯にできる硬い腫瘤で、声帯を酷使することで生じやすい特徴があります。どちらも嗄声を引き起こすだけでなく、声の出しづらさや異物感などの症状を伴うことがあります。初期段階では音声訓練などの保存的な治療が行われますが、症状が改善しない場合は手術が必要になることもあります。
さらに、喫煙も嗄声の大きな原因です。タバコの煙に含まれる有害物質は声帯を刺激し、炎症や病気を引き起こす可能性があります。声帯は、繊細な粘膜で覆われているため、刺激に非常に弱く、タバコの煙に含まれるタールやニコチンなどの有害物質によって容易に炎症を起こしてしまいます。長期間にわたる喫煙は声帯への負担を増大させ、嗄声を慢性化させるリスクを高めます。また、喫煙は喉頭がんのリスクを高めることも知られています。嗄声の改善・予防、そして健康のために、禁煙を強くお勧めします。
その他、風邪などの感染症や逆流性食道炎、アレルギーなども嗄声の原因となることがあります。原因に応じた適切な対処が必要となるため、長引く嗄声や心配な症状がある場合は、耳鼻咽喉科の専門医に相談することが大切です。
原因 | 詳細 |
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急性喉頭炎 | 声の出し過ぎによる声帯の炎症。カラオケやスポーツ観戦後の嗄声など。安静が重要。 |
声帯ポリープ | 声帯にできる袋状の良性腫瘤。多くは片側の声帯に発生。嗄声、声の出しづらさ、異物感などの症状。音声訓練や手術による治療。 |
声帯結節 | 両側の声帯にできる硬い良性腫瘤。声帯の酷使が原因。嗄声、声の出しづらさ、異物感などの症状。音声訓練や手術による治療。 |
喫煙 | タバコの煙に含まれる有害物質による声帯の刺激・炎症。嗄声の慢性化や喉頭がんのリスク増加。禁煙が重要。 |
その他 | 風邪などの感染症、逆流性食道炎、アレルギーなど。長引く嗄声や心配な症状は耳鼻咽喉科への相談が必要。 |
嗄声の検査と治療
声がかすれる症状、いわゆる嗄声が長く続く場合は、耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。特に、痛みや息苦しさ、飲み込みにくさといった他の症状を伴う場合は、速やかに医療機関に相談しましょう。
耳鼻咽喉科では、まず医師が喉の様子を直接観察します。さらに、細い管状の器具であるファイバースコープを用いて、声帯のより詳細な状態を確認します。声帯の腫れや炎症、ポリープや結節といった異常がないか、粘膜の状態はどうかなどを調べます。必要に応じて、声の音の高低や強弱、声質などを分析する音声分析や、レントゲン撮影やCT、MRIなどの画像検査を追加で行う場合もあります。
嗄声の治療方法は、原因によって大きく異なります。例えば、風邪などによる炎症が原因の場合は、炎症を抑える薬を服用したり、吸入したり、声帯を休ませる安静が有効です。また、声帯にポリープや結節といった病変がある場合は、手術によって切除することが必要となることもあります。ポリープや結節は、声の使い過ぎや誤った発声方法などが原因で生じることが多く、手術後には、再発を防ぐために声の出し方や呼吸法の指導、専門家による発声訓練を受けることが重要です。
日常生活では、嗄声の悪化や再発を防ぐために、できる限り大きな声を出すことを避け、話さない時間を意識的に設けるなど、声帯を休ませるように心がけましょう。また、水分を十分に摂ることも大切です。声帯の粘膜が乾燥すると、声帯への負担が増大し、嗄声が悪化しやすくなります。乾燥した環境では、加湿器を使用するなどして適切な湿度を保つようにしましょう。さらに、禁煙も重要です。タバコの煙は声帯を刺激し、炎症を起こしやすくするため、嗄声の悪化につながります。
症状 | 検査 | 治療 | 日常生活の注意点 |
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嗄声(声がかすれる) 特に、痛み、息苦しさ、飲み込みにくさを伴う場合は要注意 |
医師による喉の観察 ファイバースコープによる声帯の状態確認 音声分析 レントゲン、CT、MRI |
原因に応じた治療
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嗄声の予防
声が出にくい、いわゆる嗄声は、日常生活で誰にでも起こりうるものです。しかし、嗄声が続く場合は、重大な病気のサインである可能性もあるため、予防策を知っておくことは重要です。嗄声の予防には、日頃から喉をいたわる習慣を身に付けることが大切です。
まず、喫煙は声帯にとって大きな負担となります。タバコの煙に含まれる有害物質は、声帯を刺激し、炎症や病気を引き起こす可能性があります。美しい声を保ち、健康な喉を維持するためには、禁煙を強くお勧めします。
また、過度な飲酒も喉の健康を損なう原因となります。アルコールは喉の粘膜を乾燥させ、声帯の動きを悪くします。お酒を飲む際は、適量を守り、合間に水分をしっかり補給するようにしましょう。
乾燥した空気も声帯の大敵です。特に冬場は空気が乾燥しやすいため、加湿器を使用したり、濡れタオルを部屋に干したりするなどして、適切な湿度を保つように心がけましょう。こまめな水分補給も効果的です。
さらに、長時間の大声や歌などは声帯に大きな負担をかけます。講演会やカラオケなどで長時間声を張り上げる際は、合間に休憩を挟み、喉を休ませる時間を確保しましょう。普段の話し声でも、意識的に小さな声で話す習慣を身に付けると良いでしょう。
これらの予防策を日頃から実践することで、嗄声のリスクを減らし、健康な声を保つことができます。少しでも喉に違和感を感じたら、早めに耳鼻咽喉科を受診し、適切な処置を受けるようにしましょう。
原因 | 対策 |
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喫煙 | 禁煙 |
過度な飲酒 | 適量を守る、水分補給 |
乾燥 | 加湿、水分補給 |
長時間の大声、歌 | 休憩、普段から小さな声で話す |