Peritoneal Dialysis

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医療

腹膜透析:その仕組みと利点

腹膜透析とは、腎臓の働きが弱くなった時に、血液中の不要な物や余分な水分を取り除く治療法です。健康な人の腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な水分を尿として体の外に出す働きをしています。しかし、腎臓の働きが弱くなると、これらの老廃物や水分が体内に溜まってしまい、様々な症状を引き起こします。腹膜透析は、腎臓の働きを代行する治療法の一つです。 私たちの腹部には、腹膜と呼ばれる薄い膜があります。この膜は、お腹の中にある臓器を包み込むように存在し、たくさんの血管が通っています。腹膜は、まるで細かい網目状のふるいのように、血液中の物質を選別して通過させることができます。この性質を利用するのが腹膜透析です。 腹膜透析では、まずお腹に小さな管(カテーテル)を埋め込みます。そして、このカテーテルを通して透析液と呼ばれる特別な液体を腹腔内に入れます。透析液は、体の中できれいな水のように働き、血液中の老廃物や余分な水分を腹膜を通して吸収します。一定時間後、老廃物や水分を吸収した透析液はカテーテルを通して体の外に排出されます。この一連の作業を繰り返すことで、血液をきれいに保つことができるのです。 腹膜透析は、自宅で行うことができる在宅医療です。毎日、決まった時間に透析液を交換する必要がありますが、病院に通う必要がないため、自分のペースで生活を送ることができます。また、心臓への負担が少ないことも大きな利点です。腎臓の働きが弱くなった方の生活の質を維持するために、腹膜透析は有効な治療法の一つと言えるでしょう。 腎不全の治療には、腹膜透析の他に血液透析もあります。血液透析は、病院で週に数回、数時間かけて行う治療法です。それぞれの治療法にはメリット・デメリットがあるので、医師とよく相談して自分に合った治療法を選択することが大切です。