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介護保険

高齢者を支える地域包括ケアシステム

地域で安心して暮らせるように、市町村が中心となって行う『日常生活支援総合事業』について説明します。この事業は、年を重ねて生活に支援が必要になった人たちを対象に、介護予防と生活支援のサービスを提供するものです。 『要支援』や『要介護』と判断された高齢の方が対象で、それぞれの状態や希望に合わせたサービスをきめ細かく提供します。例えば、家事の手伝いや日用品の買い物、一人暮らしの高齢者の見守り、健康体操や栄養指導といったサービスがあります。これらのサービスを通して、状態が悪化することを防いだり、自分で出来ることを出来るだけ長く続けられるように支援したりすることを目的としています。 この事業は2015年から始まり、2025年までに全国各地で整備される予定です。高齢化が進む中で、地域全体で高齢者を支える仕組み『地域包括ケアシステム』の大切な役割を担っています。高齢者が住み慣れた地域で、安心して、そして元気に生活を続けられるよう、様々な機関と連携しながら、地域社会全体で支える仕組みづくりに取り組んでいます。 この事業は、介護保険制度に基づいて運営されています。利用するためには、市町村の窓口に相談し、要介護認定の申請を行う必要があります。認定の結果に応じて、利用できるサービスの種類や利用料などが決まります。詳しくは、お住まいの市町村の担当窓口にお問い合わせください。
通所による介護

日常生活訓練:自立への道

日常生活訓練とは、文字通り、毎日の暮らしの中で行う動作や活動を円滑に行えるようにするための練習のことです。食事や入浴、着替え、トイレといった基本的な動作から、掃除や洗濯、料理といった家事、さらに外出や買い物、趣味活動といった生活全般に関わる様々な活動を対象としています。 年齢を重ねたり、病気や怪我などによって体の機能が衰えたとしても、日常生活訓練を通して残っている機能を活かし、できることを増やすことで、自分の力で生活していくことを目指します。また、介護をしている人の負担を軽くすることにも繋がります。日常生活訓練は、一人ひとりの体の状態や目標に合わせて、個別の計画を作って行います。専門家による適切な指導と、根気強く続けることが大切です。 訓練の内容は、体の機能を良くするだけでなく、生活の質を高めることにも重点を置いています。そのため、ただ単に動作を繰り返すだけでなく、それぞれの生活環境や趣味、好みなども考えながら、楽しみながら取り組めるように工夫されています。例えば、料理が好きな人であれば、実際に簡単な料理を作る練習をすることで、楽しみながら訓練に取り組むことができます。また、外出が好きな人であれば、近所への散歩や買い物などを訓練に取り入れることで、日常生活での実践能力を高めることができます。 日常生活訓練は、機能回復のための訓練として行われる場合もありますし、介護の必要な方を支えるサービスの一つとして提供される場合もあります。どのような形であれ、日常生活訓練は、誰もが住み慣れた場所で、自分らしく暮らし続けるための大切な支援と言えるでしょう。
その他

家庭内のよくある事故を防ごう

家の中は、一見すると安全な場所のように思えますが、実は危険な落とし穴がたくさん潜んでいます。国民生活に関する報告書によると、家庭内で起こる事故で亡くなる方の数は、交通事故で亡くなる方の数を上回っており、家庭内事故の深刻さが改めて浮き彫りになっています。 特に、お年寄りや小さなお子さんは、体の機能や判断する力が十分に発達していないため、事故に遭いやすい傾向にあります。お年寄りの場合、加齢による体の衰えから、つまずいたり、転んだりしやすくなります。また、視力や聴力の低下も事故のリスクを高める要因となります。小さなお子さんは、好奇心旺盛で、危険を察知する力が未熟なため、思わぬ事故に巻き込まれる可能性があります。例えば、熱い湯を浴びてやけどを負ったり、高いところから落ちて怪我をするといった事故が後を絶ちません。 さらに、近年は、夫婦共働きの家庭が増えていることで、家事や子育てに追われる中で、思いがけない事故が起こる危険性が高まっているという指摘もあります。忙しさから、注意力が散漫になり、コンロの火を消し忘れたり、包丁などの危険な物を出しっぱなしにしてしまうといったことが起こりやすくなります。また、疲れている時に子どもから目を離してしまうと、子どもが危険な行動をとってしまう可能性も高まります。 こうした現状を踏まえ、家庭内事故を防ぐための対策を改めて考える必要があります。家の中の危険な場所を把握し、手すりを設置する、滑り止めマットを敷く、危険な物を子どもの手の届かない場所にしまうなど、具体的な対策を講じることが重要です。また、家族間で日頃からコミュニケーションをとり、危険な状況を共有することも大切です。家庭内事故は「まさか」という油断から起こることが多いため、常に注意を怠らないように心掛けましょう。
健康の維持

ニュースポーツの魅力:誰でも楽しめる新しいスポーツ

ニュースポーツとは、誰もが気軽に楽しめるように工夫された新しいスポーツです。年齢や性別、運動経験の有無に関わらず、誰でも参加しやすいように作られています。 既存のスポーツを改良したものや、全く新しい発想から生まれたものなど、その種類は実に様々です。ボールを使うもの、道具を使うもの、音楽に合わせて体を動かすものなど、多種多様なニュースポーツが存在します。そのため、自分の体力や好みに合わせて、ぴったりのものを見つけることができるでしょう。 ニュースポーツの特徴は、ルールがシンプルで覚えやすいことです。複雑なルールや専門的な技術は必要なく、初めての人でもすぐに楽しむことができます。また、運動量も適度に設定されているため、激しい運動が苦手な人や高齢者でも安心して参加できます。 さらに、ニュースポーツは特別な道具や場所を必要としない場合が多いです。手軽に手に入るものや、身近な場所を使って楽しむことができます。そのため、費用をかけずに気軽に始めることができます。また、多くの人が一緒に楽しめるように工夫されているため、地域社会の交流促進や健康増進にも役立っています。 ニュースポーツは、生涯にわたって楽しめるスポーツです。子供から高齢者まで、誰もが自分のペースで楽しむことができます。新しいスポーツに挑戦して、体を動かす喜びを体験してみてはいかがでしょうか。
介護保険

ニーズに基づくケアプラン作成

お年寄りや体の不自由な方々を支える仕事の中で、「その人が何を求めているのか」を理解することはとても大切です。この「求められていること」のことを「ニーズ」と言います。これは、その人がどのような暮らしを望んでいるのか、どのようなことを大切に思っているのか、といった希望や願いを表す言葉です。 例えば、ある人は毎日お風呂に入りたいと強く願っているかもしれません。また、ある人は自分の好きな音楽を聴きながらゆったりとした時間を過ごしたいと思っているかもしれません。さらに、ある人は家族と一緒にご飯を食べたいと思っているかもしれません。このように、ニーズは人それぞれ全く違います。そのため、一人ひとりのニーズを丁寧に汲み取ることが、その人に合った質の高い支援をするための最初の大切な一歩となります。 もし、ニーズを理解せずに支援をしてしまうと、たとえ善意でやったことでも、その人にとっては望まないことになってしまう可能性があります。毎日お風呂に入りたいと思っている人に、週に一度しかお風呂に入れないような支援をしてしまったら、その人は不満に思ってしまうでしょう。好きな音楽を聴きたいと思っている人に、毎日テレビばかり見せていたら、その人の楽しみを奪ってしまうことになります。家族と一緒にご飯を食べたいと思っている人に、一人で食事をさせていたら、その人は寂しい思いをするでしょう。 このように、ニーズを無視した支援は、その人の生活の質を下げてしまうばかりか、その人の心を傷つけてしまうことにもなりかねません。逆に、ニーズをきちんと理解し、そのニーズに合わせた支援をすることで、その人は自分らしい生活を送ることができ、心豊かに毎日を過ごすことができるようになります。私たち支援する側は、常にその人の立場に立って考え、その人が本当に求めていることは何かを理解しようと努めることが大切です。そうすることで、その人の人生をより豊かにするお手伝いをすることができるのです。