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医療

肝硬変:知っておきたい基礎知識

肝硬変は、慢性的な肝臓の炎症が続くことで、肝臓の細胞が壊され、線維と呼ばれる組織が固くなる病気です。この線維化によって、肝臓は次第に硬く小さくなり、本来の働きができなくなっていきます。肝臓は再生能力が高い臓器として知られていますが、長引く炎症や繰り返される損傷により、その再生能力が追いつかなくなってしまうことが原因です。 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、初期の肝硬変では自覚症状がほとんどありません。そのため、病気が進行するまで気づかない場合が多く、定期的な健康診断や検査による早期発見が非常に重要です。肝硬変が進行すると、皮膚や目が黄色くなる黄疸、お腹に水が溜まる腹水、意識障害や精神錯乱などを引き起こす肝性脳症といった様々な症状が現れます。これらの症状は、日常生活に大きな支障をきたし、生活の質を著しく低下させる可能性があります。 肝硬変の原因は様々です。ウイルスによる慢性肝炎や、過度の飲酒によるアルコール性肝障害、脂肪肝から進行する非アルコール性脂肪性肝炎(NAFLD)、自己免疫による攻撃で肝臓が炎症を起こす自己免疫性肝炎などがあげられます。一部の薬や遺伝性の病気によって引き起こされるケースもあるため、原因を特定し、適切な治療を行うことが大切です。肝硬変は放置すると、命に関わる深刻な状態になる可能性があります。早期発見・早期治療によって、病気の進行を遅らせ、合併症を防ぐことが重要です。日頃からバランスの良い食事、適度な運動、禁酒などを心がけ、肝臓への負担を軽減することが肝硬変の予防につながります。