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KJ法:介護を紐解く
KJ法は、人々の暮らしや文化を研究する学問分野の専門家である川喜田二郎氏が考え出した、問題を解決するための方法です。複雑に絡み合った状況を整理し、今までとは違った見方や解決の糸口を見つけるのに役立ちます。
KJ法は、実際に現場で見て、聞いて集めた生の情報を一つひとつ紙に書き出し、似たもの同士をまとめていくことで、問題の根本原因を掴み、解決方法を見つけることを目的としています。
介護の現場では、利用者の方々が抱える問題は多種多様で、状況も複雑に絡み合っている場合が少なくありません。このような状況でKJ法を用いると、より的確な見立てと、利用者の方々に合わせた支援計画の作成に役立ちます。例えば、利用者の方の日常生活の様子、体の状態、心の状態、家族の状況など、様々な情報をKJ法で整理することで、何が問題となっているのか、どのような支援が必要なのかをはっきりとさせることができます。
KJ法の実施手順は、まず、現場での観察や利用者、家族への聞き取りを通して得られた情報を短い言葉でカードに書き出します。次に、似た内容が書かれたカードをグループにまとめていきます。この時、グループ分けの根拠を言葉で表現し、そのグループに名前をつけます。さらに、グループ同士の関係性を、上位のグループにまとめていくことで、問題の全体像を把握し、解決策を検討します。
また、医師、看護師、介護士、理学療法士など、様々な専門家が協力してKJ法を用いると、それぞれの専門的な立場からの情報を共有し、より多方面からの視点で問題を捉えることができます。そのため、チームで協力して行う介護の推進にも繋がります。KJ法は、介護の質を高め、利用者の方々に最適な支援を提供するために役立つ、大変有効な方法と言えるでしょう。