Creutzfeldt-Jakob Disease

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医療

クロイツフェルト・ヤコブ病を知る

人の脳に異常なたんぱく質がたまり、神経の働きを悪くする病気に、クロイツフェルト・ヤコブ病があります。この病気は、プリオンと呼ばれる、異常な形に変化したたんぱく質によって起こります。プリオンは、まるで伝染病のように、周りの正常なたんぱく質を次々と異常な形に変えていきます。この変化の連鎖が脳の細胞を壊し、様々な神経の症状を引き起こします。 クロイツフェルト・ヤコブ病には、大きく分けて三つの型があります。最も多いのは原因のはっきりしない「散発型」です。何も心当たりがないのに、突然発症するのが特徴です。次に、「遺伝型」は、家系の中で同じ病気の人が複数いる場合に疑われます。これは、プリオンというたんぱく質を作る設計図である遺伝子の変化が原因です。最後に「医原型」は、医療行為によって感染した型です。過去には、脳の手術で使われた硬膜の移植や、成長ホルモンの注射などが原因となることがありました。今では、医療行為における感染を防ぐ対策が徹底されているので、医原型の発症は大変少なくなっています。 この病気を正しく診断するには、神経の働きを調べる検査や、脳波を測る検査、脳の画像を撮る検査などを行います。場合によっては、脳の一部を採取して調べることもあります。残念ながら、今のところ根本的な治療法は見つかっていません。そのため、症状を和らげる治療が中心となります。