高脂血症

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医療

高脂血症ってどんな病気?

高脂血症とは、血液中に含まれる脂質が過剰になる病気です。脂質には、コレステロールと中性脂肪が含まれ、これらは私たちの体を作る材料やホルモンの原料となるなど、生きていく上で欠かせない役割を持っています。しかし、多すぎると血管の内側に蓄積し、動脈硬化を招きます。 動脈硬化とは、血管が硬くもろくなる病気です。血管は本来、血液を全身に送るための柔軟な管ですが、動脈硬化が進むと血管の壁が厚く硬くなり、血液の通り道が狭くなります。この状態が続くと、心臓に血液を送る血管(冠動脈)が詰まり、心筋梗塞を起こしたり、脳に血液を送る血管が詰まり、脳梗塞を引き起こしたりする可能性があります。心筋梗塞や脳梗塞は命に関わる危険な病気であるため、高脂血症を放置することは大変危険です。 高脂血症の恐ろしい点は、自覚症状がほとんどないことです。そのため、健康診断などで指摘されるまで気付かない場合が多く、知らないうちに病気が進行している可能性があります。だからこそ、定期的な健康診断で血液検査を受けることが大切です。高脂血症と診断された場合は、医師の指示に従って適切な食事療法や運動療法を行い、必要に応じて薬物治療を開始することで、動脈硬化の進行を抑え、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を予防することができます。高脂血症は早期発見と適切な対応が重要です。
健康の維持

生活習慣病を防ぐために

生活習慣病とは、日々の暮らしの中の習慣が積み重なって引き起こされる病気の総まとめを表す言葉です。以前は大人の病気と呼ばれていましたが、子どもでも発症する事例が増えてきたこと、そして生活習慣が深く関わっていることがはっきりしてきたことから、1997年から生活習慣病と呼ばれるようになりました。 生活習慣病には、大きく分けて四大疾病と呼ばれるものと、その他の疾病があります。四大疾病とは、がん(悪性新生物)、脳卒中、心臓病、糖尿病です。がんは、体の細胞が異常に増殖することで体に様々な障害を引き起こす病気です。脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳の機能が損なわれる病気です。心臓病は、心臓の機能が低下したり、血管が詰まったりすることで、体に血液を送るポンプとしての役割がうまく果たせなくなる病気です。糖尿病は、血液中の糖の濃度が高くなることで、様々な合併症を引き起こす病気です。 これらの病気以外にも、高血圧、脂質異常症、肥満なども生活習慣病に含まれます。高血圧は、文字通り血圧が高い状態が続くことで、血管に負担がかかり、動脈硬化などを引き起こす病気です。脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質のバランスが崩れた状態です。肥満は、体に脂肪が過剰に蓄積した状態で、様々な生活習慣病の危険因子となります。 生活習慣病は、命に関わる重大な病気へと進行することが少なくありません。また、たとえ命に直接的な影響がなくても、健康上の問題を抱えながら生活することになり、健康でいられる期間、つまり健康寿命を縮める大きな原因となっています。 日々の生活習慣を見直し、バランスの取れた食事、適度の運動、十分な睡眠、禁煙など、健康的な生活を送ることは、生活習慣病を予防し、健康寿命を延ばすことに繋がります。規則的な健康診断も、早期発見、早期治療のために重要です。一人ひとりが自分の生活習慣を見つめ直し、健康な生活を心がけることが大切です。
医療

脳卒中と介護・介助

脳卒中とは、脳の血管にトラブルが生じ、脳の働きが損なわれてしまう病気です。脳は、からだのさまざまな機能を調整する大切な役割を担っています。ちょうど、複雑な機械を動かすための指令室のような存在です。この指令室に問題が起きると、体にさまざまな不調が現れます。 脳卒中には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、脳の血管が詰まってしまう「脳梗塞」です。これは、血管の中に血のかたまりなどができて、血液の流れが阻害されることで起こります。もう一つは、脳の血管が破れてしまう「脳出血」です。これは、高血圧などが原因で血管がもろくなり、破裂することで起こります。どちらの場合も、脳への血液供給が途絶え、脳細胞が酸素や栄養を受け取れなくなってしまうため、脳の機能が損なわれてしまいます。 脳卒中で脳の働きが損なわれると、体にさまざまな麻痺や障害が現れます。例えば、手足の麻痺によって歩くことや食事、服を着替えるといった日常の動作が難しくなることがあります。また、言葉がうまく話せなくなったり、口がもつれてしまうこともあります。さらに、意識がなくなったり、記憶がなくなったり、ものごとを理解する力や判断する力が低下するといった症状が現れる場合もあります。これらの症状は、脳のどの部分が損傷を受けたかによって大きく異なります。 脳卒中は命に関わる重大な病気であり、後遺症が残ってしまうことも少なくありません。後遺症によって、日常生活に支障が出て、介護が必要になる場合もあります。そのため、脳卒中にならないための予防や、早期発見、早期治療が非常に大切です。また、後遺症が残ってしまった場合には、適切な対応やリハビリテーションを行うことで、少しでも日常生活の自立度を高めることが重要です。