骨髄

記事数:(2)

医療

骨髄増殖性疾患:知っておきたい基礎知識

血液を作る場所である骨髄の働きに異常が起こる病気を、骨髄増殖性疾患といいます。通常、骨髄では、酸素を運ぶ赤血球、体を守る白血球、出血を止める血小板といった血液の細胞が、それぞれバランスよく作られています。しかし、この病気になると、血液細胞のもととなる造血幹細胞に異常が生じ、特定の血液細胞が過剰に作られるようになります。 例えば、赤血球が過剰に作られると、血液がドロドロの状態になり、血栓ができやすくなります。また、白血球が増えすぎると、体のあちこちで炎症が起きやすくなります。さらに、血小板が増加すると、血栓ができやすくなる一方で、逆に少なくなると出血しやすくなるといった問題も起こります。他にも、脾臓が腫れて大きくなることもあります。脾臓は、古くなった血液細胞を壊す役割を担っていますが、血液細胞が増えすぎることで、その処理が追いつかなくなり、脾臓が腫れてしまうのです。 骨髄増殖性疾患には、真性多血症、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症といった種類があります。これらの病気は、慢性骨髄性白血病とは異なる病気です。ただし、まれにですが、急性白血病に移行する可能性も懸念されます。 この病気は比較的まれな疾患で、高齢者に多くみられます。現在のところ、原因は完全には解明されていませんが、遺伝子の変化が関わっていると考えられています。 骨髄増殖性疾患は、早期発見と早期治療が重要です。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、専門医に相談しましょう。
医療

有毛細胞白血病:知っておくべき知識

有毛細胞白血病は、血液と骨髄におけるがんの一種です。血液の中には、体を守る働きをする白血球という細胞があります。白血球には様々な種類がありますが、その中の一つであるリンパ球という細胞が、がん化して異常に増えることで、有毛細胞白血病は発症します。このがん化したリンパ球は、顕微鏡で観察すると、細胞の表面に細かい毛のような突起が見られることから、「有毛細胞」と呼ばれています。この名前が病気の名前の由来となっています。 これらの有毛細胞は骨髄という、血液細胞が作られる場所に蓄積していきます。すると、正常な赤血球、白血球、血小板といった血液細胞が作られにくくなり、様々な症状が現れます。赤血球が減ると貧血になり、疲れやすさ、息切れ、動悸などが起こります。白血球が減ると、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まり、感染症にかかりやすくなります。また、血小板が減ると、出血が止まりにくくなることがあります。さらに、有毛細胞は脾臓という臓器にも集まりやすく、脾臓が腫れて大きくなることもあります。そのため、お腹の張りや痛みを感じることもあります。 有毛細胞白血病は、他の血液のがんと比べると比較的まれな病気です。一般的には高齢の男性に多く見られますが、女性や若い人が発症することもあります。この病気の特徴は、進行がゆっくりであることです。そのため、早期に発見し、適切な治療を行うことで、長期生存が十分に可能です。また、症状が軽い場合は、すぐに治療を開始せずに、経過観察を行うこともあります。 有毛細胞白血病は、血液検査や骨髄検査によって診断されます。治療法としては、抗がん剤を用いた化学療法や、手術によって脾臓を摘出する方法などがあります。治療法の選択は、病気の進行状況や患者さんの状態によって異なります。担当の医師とよく相談し、最適な治療法を選択することが大切です。