骨折

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その他

家庭内のよくある事故を防ごう

家の中は、一見すると安全な場所のように思えますが、実は危険な落とし穴がたくさん潜んでいます。国民生活に関する報告書によると、家庭内で起こる事故で亡くなる方の数は、交通事故で亡くなる方の数を上回っており、家庭内事故の深刻さが改めて浮き彫りになっています。 特に、お年寄りや小さなお子さんは、体の機能や判断する力が十分に発達していないため、事故に遭いやすい傾向にあります。お年寄りの場合、加齢による体の衰えから、つまずいたり、転んだりしやすくなります。また、視力や聴力の低下も事故のリスクを高める要因となります。小さなお子さんは、好奇心旺盛で、危険を察知する力が未熟なため、思わぬ事故に巻き込まれる可能性があります。例えば、熱い湯を浴びてやけどを負ったり、高いところから落ちて怪我をするといった事故が後を絶ちません。 さらに、近年は、夫婦共働きの家庭が増えていることで、家事や子育てに追われる中で、思いがけない事故が起こる危険性が高まっているという指摘もあります。忙しさから、注意力が散漫になり、コンロの火を消し忘れたり、包丁などの危険な物を出しっぱなしにしてしまうといったことが起こりやすくなります。また、疲れている時に子どもから目を離してしまうと、子どもが危険な行動をとってしまう可能性も高まります。 こうした現状を踏まえ、家庭内事故を防ぐための対策を改めて考える必要があります。家の中の危険な場所を把握し、手すりを設置する、滑り止めマットを敷く、危険な物を子どもの手の届かない場所にしまうなど、具体的な対策を講じることが重要です。また、家族間で日頃からコミュニケーションをとり、危険な状況を共有することも大切です。家庭内事故は「まさか」という油断から起こることが多いため、常に注意を怠らないように心掛けましょう。
医療

横骨折:まっすぐ折れる骨折

横骨折とは、骨が長さと直角の方向、つまり横に折れる骨折のことです。木の枝を折ったときのように、骨がまっすぐの線で断裂する様子から、この名前が付けられました。斜めに折れる斜骨折や、らせん状に折れる螺旋骨折とは違い、骨折線が単純で、骨の破片が少ないという特徴があります。そのため、比較的元に戻しやすい骨折と考えられています。 横骨折は、身体のどの骨にも起こり得ますが、特に腕や脚の長い骨で起こりやすいです。例えば、転んで手をついた時や、脚に強い衝撃が加わった時に起こることがあります。 横骨折の原因は、主に直接的な外力によるものです。転倒や交通事故など、強い衝撃が骨に加わることで発生します。スポーツ中の接触や、高いところからの落下も原因となることがあります。また、骨が弱くなっている高齢者や、骨粗鬆症の方は、軽い衝撃でも横骨折を起こす可能性があります。 子供の場合、骨が柔らかく柔軟性があるため、横骨折は比較的治りやすい傾向があります。しかし、成長期の骨には成長軟骨と呼ばれる部分が含まれており、ここが損傷を受けると骨の成長に影響が出る可能性があります。そのため、適切な治療と経過観察が必要です。 高齢者の場合、骨がもろくなっているため、横骨折のリスクが高くなります。さらに、治癒にも時間がかかる傾向があります。骨粗鬆症を患っている場合は、特に注意が必要です。 横骨折の治療は、骨折の程度や部位によって異なります。軽度の場合は、ギプスなどで固定する保存療法が行われます。骨折の程度が重い場合や、骨がずれている場合は、手術が必要となることもあります。 日常生活では、転倒しないように注意することが大切です。特に高齢者の方は、手すりを設置する、段差をなくすなど、住環境を整えることが重要です。また、バランスの良い食事と適度な運動を心がけ、骨を丈夫に保つことも大切です。
医療

骨粗鬆症と上手につきあう

骨粗鬆症は、骨の内部の構造がスカスカになり、もろくなってしまう病気です。例えるなら、健康な骨はぎっしりと詰まったスポンジのような構造ですが、骨粗鬆症になるとスポンジにたくさんの穴があいたような状態になります。そのため、少しの力でも簡単に折れてしまうのです。骨の量は若い頃は徐々に増え、30歳前後でピークを迎えます。その後は加齢とともに徐々に減少していきます。骨粗鬆症は、この減少が著しくなり、骨がもろくなることで起こります。 骨粗鬆症の怖いところは、自覚症状がほとんどないまま進行していくことです。そのため、骨折するまで骨が弱くなっていることに気づかない場合が少なくありません。骨折しやすい場所は、背骨、手首、そして太ももの付け根(大腿骨近位部)です。高齢になると、ちょっとした段差につまずいたり、バランスを崩したりして転倒しやすくなります。このような場合、骨粗鬆症があると骨折のリスクが非常に高くなります。特に大腿骨近位部骨折は、寝たきりの原因となることが多く、要介護状態になるリスクも高まります。また、背骨の骨折を繰り返すと、背中が曲がったり、身長が縮んだりすることもあります。 骨粗鬆症の早期発見のためには、定期的な健康診断と骨密度測定が重要です。骨密度測定は、骨の強さを測る検査で、骨粗鬆症の診断に役立ちます。また、日頃から骨を強くするために、生活習慣の見直しも大切です。食事では、カルシウムとビタミンDを積極的に摂りましょう。カルシウムは牛乳や乳製品、小魚などに多く含まれています。ビタミンDは、日光浴によっても体内で作られますが、食事からも摂取できます。魚やきのこ類などに多く含まれています。適度な運動も、骨を強くする効果があります。ウォーキングや軽い体操など、無理なく続けられる運動を選びましょう。 骨粗鬆症は、適切な治療と生活習慣の改善によって進行を遅らせることができます。早期に発見し、治療を開始することで、骨折のリスクを減らし、健康寿命を延ばすことができます。高齢になっても自分の足で元気に歩くために、今からできることを始めましょう。
医療

圧迫骨折:知っておくべき知識と対策

圧迫骨折は、骨が上から下へと押しつぶされるように折れることを指します。特に、私たちの体を支える柱である背骨に起こりやすい骨折です。背骨はたくさんの小さな骨が積み重なってできていますが、この骨の一つ一つがつぶれてしまうのです。 この圧迫骨折は、骨がもろくなっている高齢の方に多く見られます。骨の強さを保つ大切な要素であるカルシウムやビタミンDが不足したり、女性ホルモンの減少による骨粗鬆症などが原因で骨が弱くなると、ちょっとした刺激でも骨折しやすくなります。例えば、くしゃみをしたり、軽く尻もちをついたり、少し重い物を持ち上げただけでも、骨が耐えられずに折れてしまうことがあるのです。 若い方でも、交通事故などの強い衝撃や、高いところからの転落などで圧迫骨折を起こす可能性はあります。しかし、高齢になると骨の密度が自然と減っていくため、骨折のリスクはさらに高まります。 圧迫骨折の怖いところは、初期段階ではあまり痛みを感じない場合もあることです。そのため、骨折に気づかずに放置してしまうと、背骨の変形が進んで姿勢が悪くなったり、曲がった背骨が神経を圧迫してしまい、しびれや麻痺といった深刻な症状が現れることもあります。 少しでも体に異変を感じたら、すぐに医療機関を受診することが大切です。早期に発見し、適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。また、日頃からバランスの良い食事や適度な運動を心がけ、骨を丈夫に保つことも、圧迫骨折の予防に繋がります。
排泄の介助

夜間頻尿とその対策

夜間頻尿とは、眠っている間に何度もトイレに行きたくなる、睡眠を妨げる症状です。具体的には、布団に入って眠りについた後、一度以上排尿のために起きなければならない状態を指します。 年齢を重ねると、誰でも膀胱の容量が小さくなったり、膀胱の筋肉が衰えたりします。これらの体の変化によって、夜間頻尿の症状が現れやすくなります。若い人でも、寝る前にたくさんの水分を摂ったり、コーヒーやお茶などカフェインを含む飲み物を飲んだりすると、夜間頻尿が起こることがあります。また、ストレスや不安、緊張といった精神的な要因も夜間頻尿の引き金となることがあります。 高齢者の場合、夜間頻尿は深刻な問題につながる可能性があります。夜中にトイレに行くために起き上がる際、部屋の中が暗かったり、足元が不安定だったりすると、転倒しやすくなります。高齢者の場合、骨がもろくなっていることも多く、転倒は骨折や大きな怪我に繋がる危険性が高いです。また、夜間頻尿によって睡眠が十分に取れなくなると、日中の活動に支障が出て、生活の質が低下するだけでなく、認知症のリスクを高めるという報告もあります。 さらに、夜間頻尿は加齢による変化だけでなく、他の病気のサインである可能性もあります。例えば、糖尿病や前立腺肥大症、心臓や腎臓の病気などが隠れている場合があります。ですから、夜間頻尿を年のせいだと軽く考えずに、医療機関を受診して、適切な検査と治療を受けることが大切です。