食中毒

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病原性大腸菌Oとは?

大腸菌は、私たちの腸の中に普通に住んでいる細菌です。ほとんどの種類は体に悪い影響を与えませんが、食中毒の原因となる有害な大腸菌も存在します。これらを病原性大腸菌と呼び、様々な種類があります。 病原性大腸菌は、下痢や腹痛といった、お腹の調子が悪くなる症状を引き起こします。ひどい場合には、重い合併症になることもあります。代表的な病原性大腸菌には、腸管出血性大腸菌(O157など)、腸管侵入性大腸菌、腸管病原性大腸菌、腸管凝集性大腸菌、腸管毒素原性大腸菌などがあります。 これらの大腸菌は、それぞれ異なる方法で病気を引き起こし、症状も様々です。例えば、O157などの腸管出血性大腸菌は、ベロ毒素という毒を作り出し、出血を伴う腸炎や、溶血性尿毒症症候群といった重い病気を引き起こすことがあります。この病気は、腎臓の働きが悪くなるなど、命に関わることもあります。 一方、腸管毒素原性大腸菌は、コレラという病気と同じような毒素を作り出し、水のような下痢を引き起こします。このように、一口に病原性大腸菌といっても、その種類や特徴は様々です。 食中毒を防ぎ、安全な食生活を送るためには、これらの大腸菌について正しく理解し、適切な予防策を講じることが大切です。例えば、肉は中心部までしっかり加熱すること、生野菜は流水でよく洗うこと、トイレの後や食事の前には石鹸で丁寧に手を洗うことなどが重要です。また、特に抵抗力の弱い乳幼児や高齢者などは、より注意が必要です。
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ノロウイルス感染症を防ごう

ノロウイルスは、冬場に流行しやすい感染性の強い胃腸炎を引き起こすウイルスです。少量のウイルスでも感染してしまうため、非常に注意が必要です。 ノロウイルスに感染すると、吐き気や嘔吐、激しい下痢、お腹の痛みといった症状が現れます。また、熱が出ることもあります。健康な成人は数日で回復しますが、乳幼児や高齢者は、吐き気や下痢によって体の水分が失われやすいため、脱水症状に陥りやすく、重症化することもありますので、特に注意が必要です。 ノロウイルスは一年中を通して感染例が見られますが、特に冬場、11月から2月にかけて多く発生する傾向があります。これは、ノロウイルスが低温に強く、冬場は空気が乾燥しているため、ウイルスが空気中に漂いやすいことが原因の一つと考えられています。また、空気が乾燥すると、喉や鼻の粘膜の防御機能が低下し、感染しやすくなることも影響しています。 ノロウイルスの感染経路は様々です。食べ物や飲み物を介して感染するだけでなく、感染者の便や吐しゃ物に含まれるウイルスが手に付着し、その手で口に触れることによっても感染します。また、感染者が触れたドアノブや手すりなどを介して感染することもあります。さらに、ノロウイルスは空気感染も指摘されており、患者の吐しゃ物から小さなウイルス粒子が空気中に飛び散り、それを吸い込むことで感染する可能性もあるのです。 一度ノロウイルスに感染しても、免疫は長期間持続しません。そのため、繰り返し感染する可能性も高く、注意が必要です。感染予防のためには、こまめな手洗いやうがいを徹底することが重要です。調理器具やドアノブなどの消毒も効果的です。特に、乳幼児や高齢者、免疫力が低下している人は、感染予防にさらに気を配る必要があります。