離床

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移動の介助

離床のススメ:寝たきり防止のススメ

離床とは、寝床を離れることを意味します。具体的には、ベッドや布団から出て、起き上がったり、歩いたり、他の場所へ移動したりすることを指します。朝、目を覚まして布団から出る、ベッドから降りて椅子に座る、部屋の中を歩き回る、屋外に出て散歩するといった行為は、全て離床に含まれます。反対に、ベッドや布団で横になっている状態は臥床と呼ばれます。 離床は、単に寝床を離れる行為自体だけでなく、その後の活動全体を含む、より広い意味を持つ言葉です。例えば、朝起きてからトイレに行く、服を着替える、顔を洗う、歯を磨く、朝食を食べるといった一連の動作は、起床介助と呼ばれますが、これも離床の一環と捉えることができます。つまり、離床とは、臥床状態から活動状態への移行を表す言葉と言えるでしょう。 特に、病気や怪我、高齢などによって身体機能が低下している方にとって、離床は日常生活を送る上で重要な要素となります。長期の臥床は、筋力の低下や関節の拘縮、血行不良、床ずれ、肺炎、うつ状態など、様々な合併症を引き起こす可能性があります。定期的に離床し、体を動かすことで、これらの合併症を予防し、健康状態の維持・改善を図ることができます。また、離床によって活動範囲が広がり、人との交流や社会参加の機会が増えることで、精神的な健康にも良い影響を与えます。 離床の際には、転倒や事故を防ぐため、周囲の環境を整えたり、必要に応じて介助を行うことが大切です。また、個々の体力や健康状態に合わせた無理のない範囲で行うことも重要です。