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コレラ:その感染経路と予防策
コレラはコレラ菌という小さな生き物によって起こる、急にお腹が痛くなる病気です。お腹の調子が悪くなる病気の中でも、特に激しいものの一つです。この病気は、コレラ菌で汚れた水や食べ物を口にすることで、体の中に入ってきます。主な症状は、急に何度も水のような便が出る激しい下痢と、吐き気や嘔吐です。下痢や嘔吐によって、体の中の水分や大切な栄養分がどんどん外に出てしまい、脱水症状になります。脱水症状が進むと、体がぐったりしたり、意識がぼんやりしたり、ひどい場合には命に関わることもあります。
コレラは、きれいな水やトイレなどの設備が整っていない地域で発生しやすく、特に発展途上国で多く見られます。日本ではあまり見られない病気ですが、海外旅行から帰ってきた人がコレラ菌を持ち込んでしまうことがあります。また、近年では、病院や高齢者施設、養護施設などで、一度にたくさんの人が感染する集団感染の報告もあり、注意が必要です。
コレラを防ぐためには、清潔にすることがとても大切です。水や食べ物はもちろんのこと、料理に使う道具や食器もいつも清潔に保ちましょう。感染している人との接触も避けるようにしましょう。また、コレラを防ぐための注射(ワクチン)もあります。海外旅行に行く時は、旅行先の状況を調べて、必要であれば注射を検討しましょう。
お年寄りや赤ちゃんのように、体の抵抗力が弱い人は、コレラにかかりやすいので、周りの大人が特に気を付けてあげましょう。コレラは、早く見つけてきちんと治療すれば、治る病気です。もし、コレラのような症状が出たら、すぐに病院に行きましょう。