関節可動域

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移動の介助

内旋:体の内側への回転運動

内旋とは、腕や脚を内側にねじる動きのことです。体の中心線を軸として、腕であれば上腕の骨、脚であれば大腿骨を中心に、内側に向かって回転する動きを指します。この動きは、肩の関節や股の関節といった、大きく動く関節で特に分かりやすく見られます。 日常生活では、様々な場面で内旋の動きが使われています。例えば、背中をかくために腕を後ろに回す動作や、足を内側にひねる動作などです。また、椅子に座るときに足を組む、背中に手を回すといった動作も、内旋の動きを伴っています。スポーツにおいても、内旋は重要な役割を担っています。野球の投球で腕を内側にねじる動作や、サッカーでボールを扱う際に脚を内側に使う場面など、多くのスポーツで内旋の動きが活用されています。このように、内旋はスムーズに体を動かすために欠かせない要素であり、日常生活やスポーツの様々な場面で重要な役割を果たしています。 内旋できる範囲は人によって異なりますが、年齢を重ねたり、怪我をしたり、体を動かす習慣がないことなどによって、動きが制限されることがあります。内旋の動きが制限されると、日常生活での動作が困難になるだけでなく、スポーツのパフォーマンスにも影響が出ることがあります。肩や股関節の動きが悪くなると、日常生活での着替えやトイレ動作、スポーツでの投球動作やキック動作などに支障をきたす可能性があります。 健康的な生活を送るためには、適切な準備運動や日々の運動によって、内旋の動きを維持、改善することが大切です。例えば、肩を回す運動や股関節のストレッチなどを行うことで、関節の柔軟性を高め、内旋の可動域を広げることができます。また、普段から体を動かす習慣を身につけることで、筋肉の柔軟性を維持し、関節の動きをスムーズにすることができます。これらの取り組みを通じて、内旋の動きを維持・改善し、健康的な生活を送りましょう。
医療

関節可動域リハビリ:ROM

関節がどのくらい動くのかを示す範囲のことを、関節可動域といいます。これはよくROM(ロム)と略されます。このROMは、それぞれの関節がどれほど滑らかに、また自由に動けるのかを知るための大切な目安となります。私たちの健康状態や体の機能を正しく評価する上で、関節可動域は重要な役割を担っています。 具体的には、関節可動域を調べることで、関節の柔らかさや働き具合を測ることができます。例えば、肩の関節であれば、腕をどれくらい高く上げることができるのか、膝の関節であれば、どれくらい深く曲げ伸ばしできるのかといったことを調べます。これらの動きの範囲を測ることで、関節の状態を詳しく知ることができるのです。 関節可動域は、年齢を重ねるにつれて狭くなることがあります。また、怪我や病気によって動きが悪くなることもあります。例えば、骨折やねんざ、関節リウマチなどが原因で、関節の動きが悪くなることがあります。さらに、同じ姿勢を長時間続けることや、運動不足なども関節の柔軟性を低下させる原因となります。 関節の動きが悪くなると、日常生活に様々な支障が出てきます。例えば、歩行や階段の上り下り、着替えや食事などの動作が難しくなることがあります。また、関節の痛みやこわばりによって、活動量が減り、体力や筋力が低下することもあります。このような状態が続くと、生活の質が低下するだけでなく、他の病気のリスクも高まる可能性があります。 ですから、健康を維持し、体の機能の低下を早期に発見するためには、定期的に関節可動域を確認することが大切です。関節の動きに違和感を感じた場合は、早めに医療機関を受診し、適切なアドバイスや治療を受けるようにしましょう。また、日頃から適度な運動やストレッチを行い、関節の柔軟性を保つように心がけることも大切です。