鎮痛剤

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医療

オピオイド:痛みとリスク

けしという植物から採れるアヘンに似た成分を持つ薬をオピオイドといいます。これは、人工的に作られた薬です。痛みを抑える力と、気分を高揚させる力があり、医療の現場では強い痛み止めとして使われています。 がんによる痛みや、手術後の痛みなど、非常に強い痛みを和らげる効果があります。オピオイドは、脳の中にある特定の部分にくっつくことで効果を発揮します。痛みを軽くするだけでなく、幸せな気分になったり、気持ちが落ち着いたりすることもあります。 しかし、この気分の高揚作用が、依存症につながる危険性を高める一面も持っています。オピオイドには色々な種類があり、モルヒネ、コデイン、オキシコドン、フェンタニルなどがあります。それぞれ、薬の効き目や、効果が続く時間に違いがあります。 医師は、患者さんの痛みの強さや体の状態に合わせて、適切な種類と量を決めて処方します。オピオイドは正しく使えば、痛みを和らげる助けになりますが、乱用すると体に悪影響を及ぼす危険性があります。 医師の指示通りに服用し、疑問があれば必ず相談することが大切です。また、決められた量以上を服用したり、他人に譲渡したりすることは絶対に避けるべきです。オピオイドの服用中に、呼吸が浅くなったり、意識がぼんやりしたりするなどの異変を感じた場合は、すぐに医師に連絡してください。安全に使うために、医師や薬剤師の指導をよく守りましょう。
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圧迫骨折:知っておくべき知識と対策

圧迫骨折は、骨が上から下へと押しつぶされるように折れることを指します。特に、私たちの体を支える柱である背骨に起こりやすい骨折です。背骨はたくさんの小さな骨が積み重なってできていますが、この骨の一つ一つがつぶれてしまうのです。 この圧迫骨折は、骨がもろくなっている高齢の方に多く見られます。骨の強さを保つ大切な要素であるカルシウムやビタミンDが不足したり、女性ホルモンの減少による骨粗鬆症などが原因で骨が弱くなると、ちょっとした刺激でも骨折しやすくなります。例えば、くしゃみをしたり、軽く尻もちをついたり、少し重い物を持ち上げただけでも、骨が耐えられずに折れてしまうことがあるのです。 若い方でも、交通事故などの強い衝撃や、高いところからの転落などで圧迫骨折を起こす可能性はあります。しかし、高齢になると骨の密度が自然と減っていくため、骨折のリスクはさらに高まります。 圧迫骨折の怖いところは、初期段階ではあまり痛みを感じない場合もあることです。そのため、骨折に気づかずに放置してしまうと、背骨の変形が進んで姿勢が悪くなったり、曲がった背骨が神経を圧迫してしまい、しびれや麻痺といった深刻な症状が現れることもあります。 少しでも体に異変を感じたら、すぐに医療機関を受診することが大切です。早期に発見し、適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。また、日頃からバランスの良い食事や適度な運動を心がけ、骨を丈夫に保つことも、圧迫骨折の予防に繋がります。
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アスピリン:様々な効果と注意点

アスピリンは、長い歴史を持つよく知られた薬です。痛みや熱を抑える効果があり、私たちの身近で広く使われています。例えば、頭が痛い時、歯が痛い時、生理痛が辛い時、熱がある時など、様々な場面で症状を和らげるために役立ちます。 アスピリンの歴史は古く、19世紀の終わり頃にドイツの会社で人工的に作られました。その後、世界中に広まり、今では家庭に常備されていることも多い薬となっています。痛みや熱を抑えるだけでなく、少量のアスピリンには血液をサラサラにする効果もあることが分かっています。これは、血液の塊である血栓ができるのを防ぐ働きによるものです。 血栓は血管を詰まらせてしまい、心臓の筋肉が壊死する病気や脳の血管が詰まる病気を引き起こすことがあります。これらの重い病気を防ぐため、医師の指示のもとで少量のアスピリンが処方されることがあります。 アスピリンは効果が高い反面、体に悪い影響が出ることもあります。胃や腸の調子が悪くなったり、出血しやすくなったりする可能性があります。そのため、アスピリンを飲む時は、必ず医師や薬剤師に相談し、正しい飲み方や量を守ることが大切です。自分の判断で飲むのは危険なので、専門家の指示に従いましょう。