身体障害

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介護用品

失った手足を支える義肢

失った手足を補うための道具である義肢には、様々な種類があります。材質や機能、形も実に多様です。大きく分けると、主に見た目を取り繕うための装飾義肢、特定の作業を行うための道具として使われる作業義肢、そして近年注目を集めている、筋肉の動きを利用して動かす筋電義肢の三種類があります。 装飾義肢は、失った手足の外観を補うことを主な目的としています。見た目を自然に近づけることに重点を置いて作られており、肌の色や質感、血管や爪まで精巧に再現されているものもあります。しかし、見た目を重視するあまり、強度や耐久性が低く、日常生活での使用には適さない場合もあります。あくまでも、見た目の回復に重点を置いた義肢といえます。 作業義肢は、特定の作業を行うために特化して作られた義肢です。例えば、食事をする時に使うお箸や匙、フォークなどを固定するためのものや、楽器を演奏するためのもの、スポーツをするためのものなど、様々な種類があります。作業の内容に合わせて形状や機能が設計されており、日常生活や仕事における特定の動作を補助する役割を果たします。 筋電義肢は、筋肉の動きを電気信号として読み取り、その信号で義肢を動かすという、これまでの義肢とは異なる仕組みを持った画期的な義肢です。残っている筋肉に電極を貼り付け、筋肉が収縮する際に発生する微弱な電気信号を感知し、その信号をモーターの制御に利用することで、義肢を動かします。従来の義肢よりも、より繊細で複雑な動きが可能となり、日常生活での利便性が飛躍的に向上しています。物を掴んだり、指を動かしたりといった動作を、自分の意志でコントロールできるため、より自然な動きを実現できます。 これらの義肢は、使う人の状態や生活の仕方、そしてどのような目的で使用したいのかに合わせて、医師や義肢装具士とじっくりと相談しながら選択します。適切な義肢を選ぶことで、日常生活の質を向上させ、より豊かな生活を送ることができるようになります。
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障害とは何か?:分かりやすく解説

障害とは、身体や心の働きが十分にできない状態を指します。これは、生まれつき身体の一部がなかったり、病気や怪我によって後天的に身体の働きが損なわれたり、心の働きに支障が出たりすることを広く含みます。単に身体や心に問題があるだけではなく、日常生活や社会生活を送る上で困難が生じている状態を指す言葉です。 世界保健機関(WHO)は、障害を「機能障害、活動制限、参加制約」という三つの側面から定義しています。まず、「機能障害」とは、身体の器官や心の働きに問題がある状態です。例えば、目が見えにくい、耳が聞こえにくい、手足が動かしにくい、記憶力が弱いといった状態が挙げられます。次に、「活動制限」とは、機能障害によって日常生活の動作や活動が制限されることです。例えば、文字を読むのが難しい、階段を上るのが困難、人と話すのがつらいといった状態です。最後に、「参加制約」とは、機能障害や活動制限によって社会生活への参加が制限されることを指します。例えば、仕事に行けない、学校に通えない、地域活動に参加できないといった状態です。 このように、障害とは単に身体や心の状態だけでなく、それによって日常生活や社会生活への参加にどのような影響があるのかを含めて考える必要があります。大切なのは、障害のある人もない人も、互いに支え合い、共に生きる社会を作っていくことです。そのためには、障害に対する正しい理解を深め、一人ひとりの個性や能力を尊重することが重要です。