身体機能低下

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排泄の介助

機能性尿失禁への理解と対応

機能性尿失禁とは、尿の通り道である膀胱や尿道に異常がないにもかかわらず、認知機能の低下や体の動きの衰えなどが原因で、トイレまで間に合わず、尿漏れしてしまうことをいいます。つまり、尿を作る機能や尿をためて出す機能そのものには問題がないのに、脳や体の動きが円滑にいかないことが原因で起こる尿失禁です。 例えば、認知症によってトイレに行くことを忘れてしまったり、そもそもトイレに行きたいという認識ができなかったりするケースが挙げられます。また、認知機能はしっかりしていても、足腰が弱くなっていたり、関節の痛みがひどかったりして、トイレまで移動するのに時間がかかり、間に合わなくなってしまう場合もあります。さらに、体が不自由で一人では服を脱げなかったり、介助が必要なのにうまく伝えられなかったりすることも、機能性尿失禁につながります。 機能性尿失禁は、排尿機能そのものは正常です。そのため、環境を整えたり、生活習慣を少し工夫したりすることで、尿失禁を予防したり、回数を減らしたりすることが十分可能です。具体的には、トイレの場所を分かりやすくしたり、トイレまでの歩行経路に障害物がないようにしたり、定期的にトイレに誘導するなどの工夫が有効です。また、ゆったりとした服を着せる、水分をこまめに摂らせる、便秘を予防するなども効果的です。さらに、声かけや介助の方法を工夫することで、本人が排尿の意思を伝えやすくなるよう支援することも重要です。一人ひとりの状態に合わせた適切な対応をすることで、生活の質を向上させることができるでしょう。