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移乗介助の大切さ
移乗介助とは、歩くことや体を動かすことが難しい方が、ベッドから車いす、車いすから便座、あるいは浴槽など、日常生活の様々な場面で場所を移る際に、介助者がお手伝いをすることです。
必要な介助の程度は人それぞれ大きく異なります。ご自身でほとんど移動できる方もいれば、少しだけ支えてもらえれば移動できる方、また全くご自身で動くことができない方など様々です。そのため、その方の体の状態やできることをよく理解し、無理のない方法でお手伝いすることが大切です。
安全に、そして気持ちよく場所を移っていただけるよう、現在どのような状態なのか、どこが不自由なのかをしっかりと見極める必要があります。その上で、状況に合った介助の方法を選び、適切な力加減や体の支え方を心掛けなければなりません。例えば、抱き上げる際は、腰を痛めないように、介助者自身の姿勢にも注意を払い、膝を曲げて持ち上げるようにします。また、声掛けも重要です。これから何をするのか、どのように動かすのかを事前に伝えて、安心感を持ってもらうことで、スムーズな移動を促すことができます。
さらに、介助を受ける方のプライドを傷つけないよう、丁寧な言葉遣いで接し、恥ずかしい思いをさせないよう配慮することも必要です。介助を受ける方の気持ちを尊重し、その人らしさを大切にした温かい支援を心掛けることが、質の高い移乗介助につながります。