認知症検査

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医療

認知症検査:長谷川式スケール

長谷川式スケールは、正式には長谷川式認知症評価スケール(HDS-R)と呼ばれ、認知症の可能性があるかどうかを簡単に調べる検査方法です。この検査方法は、聖マリアンナ医科大学神経精神科教授であった長谷川和夫先生が1974年に考え出しました。当時は長谷川式簡易知能評価スケールという名前でしたが、時代の流れとともに名前や内容が変わり、今の形になりました。 このスケールは、認知症の早期発見に役立つ手軽な検査として、多くの病院や介護施設で広く使われています。高齢化が進む現代社会において、認知症は社会全体で取り組むべき大きな課題となっており、早期発見と適切な対応の重要性が増しています。長谷川式スケールは、そのような認知症を早期に見つけるための最初の段階として、とても大切な役割を担っています。 具体的には、30点満点の質問形式で行われ、日付や場所、簡単な計算問題などを通して、認知機能の状態を評価します。検査時間は5分程度と短く、特別な機器も必要ありません。高齢者の方にとって負担が少ない検査であることも、広く利用されている理由の一つです。 ただし、長谷川式スケールだけで認知症の確定診断をすることはできません。あくまで、認知症の可能性を評価するスクリーニング検査であり、低い点数が出た場合は、より詳しい検査を受ける必要があります。また、教育レベルや文化的な背景によって結果が左右される場合もあるため、結果の解釈には注意が必要です。 長谷川式スケールは、認知症の早期発見に役立つ手軽で有用な検査方法ですが、その結果だけで判断せず、必要に応じて専門医による詳しい検査を受けることが大切です。早期発見、早期対応によって、認知症の進行を遅らせ、より良い生活を送ることにつながります。