記憶障害

記事数:(7)

医療

認知障害:理解と寄り添い

認知障害とは、脳のはたらきの衰えによって、記憶する、考える、理解する、判断する、学ぶといった、ものごとを認識する能力に問題が生じる状態のことです。歳を重ねるにつれて、記憶力などが少しずつ低下していくのは自然な流れですが、認知障害は、このような通常の老化の範囲を超えて、日常生活に支障をきたすほど認識する能力が低下した状態を指します。そして、日常生活に大きな影響が出ていると認められた場合は、認知症と診断されます。 認知障害は、特定の病気の名前ではなく、様々な原因で起こる様々な症状が組み合わさった状態のことを指します。よく知られている原因としては、アルツハイマー病、脳の血管が詰まったり破れたりする脳血管障害、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあります。これらの病気以外にも、歳をとることによる脳の変化や、脳卒中や頭を強く打つことなどによる脳への直接的な損傷、薬の副作用、甲状腺の機能が低下する病気などの体の病気、気分が落ち込むうつ病などの心の病気なども、認知障害の原因となることがあります。 認知障害の症状は実に様々です。もの忘れがひどくなる、新しく覚えたことをすぐ忘れてしまう、自分がどこにいるのか、今は何時なのかわからなくなる、適切な判断ができなくなる、性格が変わってしまうなど、人によって現れ方は異なります。これらの症状は、多くの場合ゆっくりと進んでいきます。そのため、早期に発見し、適切な対応をすることがとても大切です。周りの人が変化に気づき、早めに医療機関を受診するよう促すことも重要です。
医療

認知症を理解する:寄り添う介護のために

認知症とは、一つの病気ではなく、脳の神経細胞が傷ついたり縮んだりすることで、様々な能力が低下し、日常生活に支障が出てくる状態を指します。よく見られる症状としては、物忘れがひどくなる、時間や場所が分からなくなる、人柄が変わる、などがあります。これらの症状は、脳の働きが弱まることによって起こります。 年齢を重ねるにつれて認知症になる危険性は高まりますが、単なる老化とは違います。老化は誰にでも起こる自然な変化ですが、認知症は病気であり、治療やケアが必要な状態です。多くの認知症は少しずつ悪くなっていくため、早く見つけて適切な対応をすることがとても大切です。病状の進み具合を遅らせる治療法がある場合もあります。 認知症の原因となる病気は様々です。例えば、アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症などがよく知られています。病気の種類によって症状の出方や進行の速さが異なるため、医師による正しい診断と、それぞれの病気に合った治療が必要です。 また、認知症の症状は、ただ記憶力が悪くなるだけではなく、考える力、判断する力、理解する力など、日常生活を送る上で必要な様々な能力が低下します。そのため、家事や仕事、人間関係などに問題が生じることがあります。もしも日常生活に支障が出てきたら、ためらわずに早く医療機関を受診しましょう。早く診断を受けることで、適切な治療やケアを受けられ、病状の進行を遅らせたり、症状を軽くしたりすることができる可能性が高まります。認知症は本人だけでなく、家族や周囲の人々にも大きな影響を与えるため、正しい知識を持ち、温かく見守ることが重要です。
医療

見当識障害:認知症の理解

見当識障害とは、自分が置かれている状況を正しく認識することが難しくなる状態です。具体的には、時間、場所、人物など、自分が今どこで、いつ、誰といるのかが分からなくなるといった症状が現れます。これは、認知症の主な症状の一つとして知られており、患者さん本人だけでなく、支える家族にとっても大きな苦労の原因となることがあります。 時間の見当識が損なわれると、今日は何月何日か、何曜日か、今はどの季節かといったことが分からなくなります。そのため、約束を忘れてしまったり、食事の時間を間違えてしまったりといった問題が起こりやすくなります。朝なのに夕飯の準備を始めたり、季節に合わない服装をしてしまったりすることもあります。このような状態は、日常生活を送る上で大きな支障となるだけでなく、患者さん自身に不安や混乱をもたらす可能性があります。 場所の見当識が損なわれると、自宅にいながら迷子になったように感じたり、よく知っている場所にいても見知らぬ場所のように感じてしまうことがあります。家の周りの道を歩いているのに迷ってしまったり、自分の部屋が分からなくなってしまったりするケースもあります。このような状況は、患者さんにとって大きなストレスとなり、徘徊につながる可能性も懸念されます。 人に対する見当識が損なわれると、家族や親しい友人の顔を忘れてしまったり、名前が出てこなくなったりします。配偶者を他人と認識してしまったり、子供を兄弟と間違えてしまったりするなど、人間関係の認識にも混乱が生じます。これは、患者さん本人だけでなく、家族にとっても精神的な負担が大きい症状です。 このように、見当識障害は日常生活に様々な影響を及ぼし、患者さんの生活の質を低下させるだけでなく、介護をする家族の負担も増大させる可能性があります。見当識障害について正しく理解し、適切な接し方や支援の方法を学ぶことは、患者さんとその家族が安心して生活を送る上で非常に大切なことです。
医療

アルツハイマー型認知症:理解と対応

もの忘れがひどくなる病気として広く知られている認知症の中で、最も患者数が多いのがアルツハイマー型認知症です。歳を重ねるにつれて発症しやすくなるこの病気は、現在、高齢化が進む社会において増加し続けており、患者本人だけでなく、支える家族にも大きな負担となっています。 この病気は、脳の神経細胞が変化し、萎縮していくことで、記憶力や思考力、判断力など、人としての活動の基盤となる様々な機能が徐々に衰えていく進行性の病気です。初期の段階では、もの忘れの症状が中心ですが、病気が進行するにつれて、時間や場所が分からなくなったり、身近な人の顔が分からなくなったり、妄想や幻覚、徘徊といった症状が現れることもあります。さらに、症状が進むと、食事や排泄、着替えなどの日常生活動作も一人では行えなくなり、介護が必要な状態となります。 アルツハイマー型認知症は、残念ながら根本的な治療法はまだ確立されていません。しかし、早期に発見し、適切な対応をすることで、症状の進行を遅らせ、患者本人がより長く自立した生活を送れるように支援することができます。そのためには、まずこの病気について正しく理解することが重要です。早期発見の鍵となる初期症状や、症状の進行を抑えるための生活上の工夫、利用できる医療や介護サービスなど、様々な情報を積極的に集め、自分自身や家族のために役立てましょう。また、認知症は患者本人だけでなく、家族にとっても大きな負担となるため、周囲の理解と支援が不可欠です。地域包括支援センターなど、相談できる窓口をあらかじめ知っておくことも大切です。
医療

お酒が引き起こす認知症:アルコール性認知症

お酒をたくさん飲むことが、もの忘れがひどくなる病気である認知症につながることをご存知でしょうか。長年にわたってたくさんお酒を飲むと、脳が傷ついてしまい、アルコール性の認知症という病気を引き起こすことがあります。 この病気は、お酒に含まれるアルコールが脳の細胞を壊してしまうことが原因です。思い出したり、考えたり、判断したりといった脳の働きが、お酒のせいでうまくいかなくなってしまうのです。症状は人によって様々ですが、もの忘れがひどくなるというのはよくある症状の一つです。例えば、さっき聞いた話をすぐに忘れてしまったり、約束を忘れてしまったりすることが多くなります。また、自分が今どこにいるのか、今日は何日なのかが分からなくなることもあります。さらに、新しいことを覚えにくくなったり、感情が不安定になって、急に怒り出したり、泣き出したりすることもあります。 これらの症状は、毎日の生活に困りごとが増えるだけでなく、社会の中で人と関わったり、仕事をするのが難しくなることもあります。しかし、早く気づいてきちんと治療を受ければ、症状が進むのを遅らせて、今まで通りの生活を続けることができる可能性が高まります。ですから、少しでも気になることがあれば、早めに専門のお医者さんに相談することが大切です。 また、アルコール性の認知症は、本人だけでなく、家族や周りの人の理解と協力がとても大切です。お酒の問題を抱えている人がいたら、病気のことを正しく理解し、温かく見守りながら、適切な治療を受けられるように支えてあげましょう。家族や周りの人の支えが、回復への大きな力となります。
医療

まだら認知症:その特徴と理解

まだら認知症とは、認知機能の低下にばらつきがある状態を指します。特定の機能が著しく低下している一方で、他の機能は比較的保たれているという特徴があります。例えば、物の名前が出てこなかったり、最近の出来事を思い出せなかったりするといった記憶力の低下が目立つ一方で、状況を理解したり適切な判断を下したりする能力は比較的保たれている場合があります。 この「まだら」という表現は、認知機能の低下具合が均一ではなく、得意な部分と苦手な部分が混在している様子を表しています。まるで布地にまだら模様がつくように、認知機能にも保たれた部分と損なわれた部分が混在していることから、このように呼ばれています。 重要なのは、まだら認知症自体は病気の名前ではなく、症状の特徴を表す言葉だということです。したがって、「まだら認知症」という診断名は存在しません。認知症の症状の一つとして現れるものであり、特に脳血管性認知症でよく見られる症状として知られています。 脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血など、脳の血管に障害が起こることで脳細胞が損傷し、認知機能が低下する病気です。脳のどの部分が損傷を受けるかによって、症状は大きく異なります。記憶をつかさどる部分が損傷されれば記憶障害が、言葉を理解したり話したりする部分が損傷されれば言語障害が現れます。このように、脳血管性認知症では損傷部位によって様々な症状が現れるため、認知機能の低下にばらつきが生じやすく、結果としてまだら認知症の状態が見られるのです。 認知機能の低下にむらがあると感じた場合は、自己判断せずに、専門の医療機関を受診することが大切です。医師は、問診や認知機能検査、画像検査などを通して原因を詳しく調べ、適切な診断と治療を行います。早期発見、早期治療によって症状の進行を遅らせることができる場合もありますので、気になる症状があれば早めに相談しましょう。
医療

記憶障害:思い出せない、覚えられない

記憶障害とは、脳の働きに何らかの異常が生じることで、記憶に関わるさまざまな問題が起こる状態を指します。私たちは日々、過去の出来事を思い出したり、新しい知識を習得したり、覚えたことを後で思い出したりしていますが、こうした記憶の働きは、実はいくつもの複雑な過程を経て成り立っています。記憶障害では、これらの過程のいずれか、あるいはいくつもの過程に不具合が生じることで、日常生活に支障が出てきます。 記憶には、数秒から数分といった短い時間だけ情報を保持する短期記憶と、数時間から数日、数ヶ月、あるいは一生にわたって情報を保存する長期記憶があります。短期記憶に問題があれば、例えば、相手の言った言葉をすぐに忘れてしまったり、電話番号を覚えられなくなったりします。長期記憶に問題があれば、昔の出来事を思い出せなかったり、新しく覚えたことを次の日に忘れてしまったりします。 記憶障害は、それ自体が一つの病気として現れることもありますが、他の病気の一つの症状として現れることもあります。認知症の中には、記憶障害を主な症状とするものがあります。また、脳卒中、脳腫瘍、頭部外傷といった脳への損傷によっても記憶障害が起こることがあります。その他、強いストレスや精神的なショック、薬の副作用、ビタミン不足といった原因で記憶障害が現れることもあります。 記憶障害の程度や症状は、原因や脳の損傷を受けた場所、個々の状況によって大きく異なります。軽度の場合は、日常生活にそれほど大きな影響がないこともありますが、重度の場合は、自分の名前や家族の顔さえも忘れてしまうことがあります。記憶障害の種類もさまざまで、特定の期間の記憶だけが失われる場合や、新しい記憶を作ることができなくなる場合などがあります。 記憶に不安を感じたら、早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが大切です。