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蓄膿症をよく知ろう

蓄膿症とは、鼻の奥にある副鼻腔という空間に膿がたまる病気です。医学用語では慢性副鼻腔炎と言い、鼻の粘膜に炎症が起き、鼻水がうまく流れ出ずにたまることで起こります。この膿は、多くの場合、細菌やウイルスの感染によって生じます。蓄膿症になると、鼻が詰まったり、鼻水が出たり、頭や顔が痛んだり、においを感じにくくなったりといった症状が現れます。 蓄膿症には、急性蓄膿症と慢性蓄膿症の二つの種類があります。急性蓄膿症は、かぜなどをきっかけに急に発症しますが、適切な治療を受ければ比較的早く治ります。一方、慢性蓄膿症は、症状が長期間続き、治るまでに時間のかかることがあります。慢性蓄膿症は、アレルギー性鼻炎や副鼻腔の構造に問題があることが原因で発症することもあります。 蓄膿症の主な症状は、鼻づまり、鼻水、頭痛、顔面痛、そして嗅覚障害です。鼻づまりは、膿が副鼻腔にたまることで鼻の通り道を狭くするために起こります。鼻水は、炎症によって過剰に分泌された粘液が膿と混ざり、黄色や緑色になることもあります。頭痛や顔面痛は、副鼻腔内の圧力が高まることで生じ、特に前かがみになった時や頭を振った時に強くなることがあります。嗅覚障害は、鼻の粘膜の炎症がひどくなり、においを感じる神経がうまく働かなくなるために起こります。 蓄膿症はどの年代でも発症する可能性があり、適切な手当てと治療が必要です。放っておくと病気が重くなり、他の病気を引き起こすこともあります。例えば、中耳炎や気管支炎などを併発する可能性があります。また、まれにですが、脳にまで炎症が広がることもあり、大変危険です。そのため、少しでも蓄膿症の疑いがある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
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傷と膿の関係:正しく理解しよう

膿とは、傷口などから出てくる黄白色や黄緑色のどろっとした液体のことです。化膿した時に見られることが多く、見た目にはあまり良くない印象を受けますが、実は私たちの体が細菌や異物から身を守るために起こる反応の結果として生じるものです。 体の中に細菌などの異物が侵入してくると、私たちの体はそれらと戦うために白血球という細胞を送り出します。白血球は、体内に侵入してきた細菌や異物を食べて消化し、体を守ろうとします。この戦いの過程で、白血球自身も死んでしまいます。そして、この死んだ白血球や、白血球が消化した細菌、さらに細菌によって破壊された体の組織の破片などが混ざり合ったものが膿なのです。 膿の色は、含まれている成分によって変化します。一般的には黄白色ですが、緑色の膿が出ることもあります。これは、緑膿菌などの細菌が感染している場合に見られる色で、細菌が出す色素によるものです。また、膿の粘り気も様々で、サラサラとしたものから、どろっとして粘度の高いものまであります。 膿が出ると、傷口周辺が赤く腫れ上がり、熱を持ったり、痛みを感じたりすることがあります。これは炎症反応と呼ばれ、膿とともに体を守るための反応の一つです。炎症は、細菌の増殖を抑えたり、傷の治りを早めたりするのに役立ちます。 膿は決して汚いものと決めつけるのではなく、体が細菌や異物から身を守ろうと懸命に働いている証拠だと理解することが大切です。ただし、膿の量が多い場合や、発熱などの症状を伴う場合は、自然に治癒するのを待つだけでなく、医師の診察を受けるようにしましょう。