脳血管障害

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失語症について理解を深めよう

失語症とは、脳の言語をつかさどる部分が傷つくことで、話す、聞く、読む、書くといった言葉の働きに問題が生じる状態です。 脳卒中や頭のけがなどが原因で起こることが多く、言葉によるやり取りが難しくなるため、日々の暮らしに大きな影響を与えます。 失語症の症状は、脳のどこが、どれくらい傷ついたかによって様々です。 相手の言っていることが理解できない、伝えたい言葉がうまく見つからない、発音がはっきりしない、言葉がなめらかに出てこない、文字が読めないといった症状が現れます。 例えば、軽い場合は特定の言葉が思い出せない、言い間違いが増えるといった程度の場合もあります。しかし、重い場合は全く言葉を発することができなくなったり、相手の言葉が全く理解できなくなったりすることもあります。 症状の一つとして「話すことの障害」があります。 伝えたい言葉が出てこない、言い間違える、同じ言葉を繰り返してしまう、言葉がつっかえる、文法的に正しくない文章になってしまう、発音が不明瞭になるといった症状が現れます。 「聞くことの障害」では、 相手の話している言葉の意味が理解できない、複雑な指示が理解できない、長い会話についていけないといった症状が見られます。 「読むことの障害」としては、 文字が読めない、書かれている内容が理解できないといった症状が現れ、「書くことの障害」では、 字が書けない、文章が書けない、文法的に正しくない文章を書いてしまうといった症状が現れます。 このように、失語症は言葉に関する様々な問題を引き起こし、日常生活に大きな支障をきたす病気です。 周囲の人の理解と適切な支えが、失語症を持つ人が社会生活を送る上でとても重要になります。
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くも膜下出血と介護

くも膜下出血は、脳を覆う膜の一つであるくも膜と軟膜の間の空間(くも膜下腔)で起こる出血です。この出血は、突然の激しい痛みを引き起こします。痛みは、頭を強く殴られたような、あるいはこれまでの人生で経験したことがないほどの激痛と表現されることが多く、「ハンマーで殴られたようだ」「今までに感じたことのない最悪の頭痛」といった表現がよく使われます。 この激しい頭痛に加えて、吐き気や嘔吐といった症状が現れる場合もあります。出血によって脳が圧迫されたり、刺激されたりすることで、意識がぼんやりしたり、痙攣を起こしたり、手足がしびれたり動かなくなったりすることもあります。また、意識を失ってしまう、呼びかけに応じないといった意識障害が現れることもあります。出血の量や場所によっては、命に関わる危険な状態となることもあります。そのため、迅速な診断と適切な治療が非常に重要です。 くも膜下出血の主な原因は、脳の血管にできたこぶ(脳動脈瘤)が破裂することです。その他にも、脳動静脈奇形や頭部外傷などが原因となる場合もあります。くも膜下出血は、突然発症し、前兆がない場合が多い病気です。そのため、日頃からバランスの良い食事や適度な運動を心がけ、血圧を正常な範囲に保つなど、生活習慣に気を配ることが大切です。また、定期的な健康診断を受けることで、脳動脈瘤などの早期発見につながる可能性があります。もしも、家族が突然の激しい頭痛を訴えた場合は、すぐに救急車を呼ぶなど、一刻も早い対応が必要です。ためらわずに医療機関に連絡しましょう。
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脳血管障害:知っておきたい基礎知識

脳血管障害は、脳の血管に問題が生じ、脳の働きに支障をきたす病気の総称です。私たちの脳は、体全体の司令塔として、運動や感覚、言葉、思考など、あらゆる機能をコントロールしています。脳血管障害になると、手足の麻痺や言葉の障害、意識障害など、日常生活に大きな影響を与える様々な症状が現れます。 脳血管障害は、大きく分けて三つの種類に分けられます。まず一つ目は、脳梗塞です。脳梗塞は、脳の血管が詰まることで、血液の流れが止まり、脳細胞に必要な酸素や栄養が行き渡らなくなることで起こります。血管が詰まる原因としては、動脈硬化や高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙などが挙げられます。二つ目は、脳出血です。脳出血は、脳の血管が破れて出血し、周りの脳組織を圧迫することで起こります。高血圧が主な原因と考えられており、冬場や激しい運動時など血圧が急激に上昇する際に起こりやすいと言われています。三つ目は、くも膜下出血です。くも膜下出血は、脳の表面にある血管が破れて出血し、くも膜と軟膜と呼ばれる脳を覆う膜の間に血液が溜まる病気です。突然の激しい頭痛とともに発症することが多く、意識を失う場合もあります。 脳血管障害は、命に関わる危険性が高いだけでなく、後遺症が残る可能性も高い病気です。そのため、早期発見と早期治療が何よりも重要です。また、日頃からバランスの取れた食事、適度な運動、禁煙など、生活習慣の改善を心がけることで、予防に繋げることができます。少しでも異変を感じたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
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脳血管性認知症:知っておきたい基礎知識

脳血管性認知症は、脳の血管のトラブルが原因で起こる認知症です。脳の血管が詰まること(脳梗塞)や、血管が破れること(脳出血)といった脳血管障害によって、脳の神経細胞が傷つき、様々な認知機能に障害が現れます。言いかえると、脳への血液の流れが滞ったり、止まったりすることで、脳の細胞に必要な酸素や栄養が行き渡らなくなり、細胞が損傷を受けてしまうのです。 この病気でよく見られる症状の一つに記憶障害があります。例えば、最近の出来事を忘れてしまったり、何度も同じことを聞いたりすることがあります。しかし、記憶障害だけでなく、他の認知機能にも影響が出ることがあります。例えば、言葉がうまく出てこなくなったり、話の内容が理解しにくくなるといった言語機能の低下、状況を適切に判断したり、計画を立てたりすることが難しくなるといった判断力の低下、物事を順序立てて行うのが困難になるといった遂行機能の低下などが挙げられます。これらの症状は人によって異なり、複数の症状が同時に現れる場合もあります。 脳血管性認知症の進行の仕方は様々です。階段状に悪化する場合、つまり症状が急に悪化し、その後しばらく安定し、また急に悪化するというパターンを繰り返す場合もあります。一方、ゆっくりと少しずつ症状が進んでいく場合もあります。また、症状の現れ方や重症度も人それぞれです。そのため、早期に発見し、適切な治療や生活への工夫を行うことが非常に大切です。早期発見のためには、少しでも異変を感じたら、早めに医療機関を受診し、専門医の診察を受けることが重要です。そして、診断後は医師の指示に従って治療を続け、日常生活でも認知機能の低下を補う工夫をしながら生活していくことが大切です。