脳血管疾患

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医療

知っておきたい一過性脳虚血発作

一過性脳虚血発作は、脳への血液の流れが一時的に滞ってしまうために起こる、短い時間の神経症状です。名前の通り、症状は一過性であり、通常は一日以内に完全に消えてしまいます。これは、詰まっていた血管が再び開通したり、他の血管が血液を供給したりするためです。症状が現れる時間は数分から数時間と様々で、まるで脳卒中のような症状が現れることもあります。具体的には、片側の手足の痺れや麻痺、ろれつが回らない、言葉が出てこない、物が二重に見える、ふらつきなどが挙げられます。 一過性脳虚血発作は、脳卒中と同じく、脳の血管の病気が原因で起こります。動脈硬化によって血管が狭くなったり、心臓などから血栓が流れてきて血管を詰まらせたりすることで、脳への血液供給が不足してしまうのです。重要なのは、一過性脳虚血発作は、より深刻な脳卒中の前触れである可能性が非常に高いということです。一過性脳虚血発作を経験した人は、その後脳卒中を起こす危険性が非常に高く、放置しておくと命に関わる深刻な後遺症が残ることもあります。 たとえ症状が軽く、すぐに消えてしまったとしても、一過性脳虚血発作の疑いがある場合は、すぐに医療機関を受診しなくてはなりません。専門医による適切な検査と診断によって、原因を特定し、再発予防のための治療を受けることができます。早期発見と早期治療によって、将来の脳卒中を予防し、健康な生活を守ることができるのです。ですから、「すぐに治ったから大丈夫」と安易に考えず、体のサインを見逃さないようにしましょう。脳からの大切な警告を無視せず、適切な行動をとることで、大きな病気を未然に防ぐことができるのです。
通所による介護

デイケアで実現する豊かなシニアライフ

在宅で生活を送る高齢者の方々が、日帰りで利用できる介護サービス、それがデイケアです。自宅での暮らしを続けながら、必要な介護や支援を受けることができるため、心身ともに健康な状態を保ち、生活の質を高めるのに役立ちます。 デイケアでは、食事や入浴、排泄などの日常生活における介助はもちろんのこと、機能訓練も提供されます。座って行う体操や、歩行訓練などを通して、身体機能の維持・向上を目指します。また、レクリエーションや趣味活動を通して、他の利用者の方々との交流を深め、社会との繋がりを維持することもできます。これにより、認知症の予防や進行の抑制にも繋がると期待されています。 デイケアの利用は、高齢者の方々だけでなく、介護をする家族にとっても大きなメリットがあります。介護負担の軽減はもちろん、休息の時間を持つことで、心身の負担を軽くし、介護疲れを予防することに繋がります。また、介護に関する相談や情報提供を受けられる場としても、デイケアは大切な役割を担っています。 デイケアには様々な種類があり、それぞれ提供するサービス内容や利用料金が異なります。例えば、食事や入浴の介助を中心とした一般的なデイケアサービスに加え、認知症の方を対象としたデイケアや、リハビリテーションに特化したデイケアなどがあります。利用者の状態や希望に合わせて、最適なデイケアを選ぶことが大切です。そのため、市町村の窓口や地域包括支援センターなどに相談し、情報収集を行うことが推奨されます。近年、高齢化の進展とともにデイケアの需要はますます高まっており、今後も多様なサービスの展開が期待されます。
医療

脳梗塞のリハビリテーション:介護と介助

脳梗塞は、脳の血管が詰まることで起こる病気です。血管が詰まると、血液が脳に届かなくなり、脳の細胞が傷ついてしまいます。このため、様々な症状が現れます。詰まり方には大きく分けて三つの種類があります。 一つ目は、ラクナ梗塞と呼ばれるものです。これは、脳の奥深くにある細い血管が、動脈硬化によって徐々に狭くなり、最終的に完全に詰まってしまうことで起こります。動脈硬化は、血管の壁が厚く硬くなることで、加齢とともに誰にでも起こりうる変化です。高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病があると、動脈硬化が進行しやすくなります。 二つ目は、アテローム血栓性脳梗塞です。これは、コレステロールなどが血管の壁にたまり、血管の内側が狭くなっていくことで起こります。狭くなった部分で血液の流れが滞り、血の塊(血栓)ができやすくなります。この血栓が血管を完全に塞いでしまうと、脳梗塞を発症します。こちらも、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が危険因子となります。 三つ目は、心原性脳塞栓症です。心臓の中にできた血栓が血液の流れに乗って脳の血管まで運ばれ、血管を詰まらせることで起こります。心臓に病気があると、心臓の中に血栓ができやすくなります。特に、心房細動という不整脈は、心原性脳塞栓症の大きな原因となります。 脳梗塞の症状は、詰まった血管の位置や大きさによって様々です。片側の腕や足の麻痺やしびれ、ろれつが回らない、言葉が出てこない、視野が狭くなる、ものが二重に見える、激しいめまいやふらつきなどがよく見られる症状です。これらの症状が突然現れたら、すぐに病院を受診することが大切です。早期に発見し、適切な治療を行うことで、後遺症を残さずに回復できる可能性が高まります。日頃からバランスの良い食事、適度な運動、禁煙などを心がけ、生活習慣病の予防に努めることも重要です。