脳血管性認知症

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医療

まだら認知症:その特徴と理解

まだら認知症とは、認知機能の低下にばらつきがある状態を指します。特定の機能が著しく低下している一方で、他の機能は比較的保たれているという特徴があります。例えば、物の名前が出てこなかったり、最近の出来事を思い出せなかったりするといった記憶力の低下が目立つ一方で、状況を理解したり適切な判断を下したりする能力は比較的保たれている場合があります。 この「まだら」という表現は、認知機能の低下具合が均一ではなく、得意な部分と苦手な部分が混在している様子を表しています。まるで布地にまだら模様がつくように、認知機能にも保たれた部分と損なわれた部分が混在していることから、このように呼ばれています。 重要なのは、まだら認知症自体は病気の名前ではなく、症状の特徴を表す言葉だということです。したがって、「まだら認知症」という診断名は存在しません。認知症の症状の一つとして現れるものであり、特に脳血管性認知症でよく見られる症状として知られています。 脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血など、脳の血管に障害が起こることで脳細胞が損傷し、認知機能が低下する病気です。脳のどの部分が損傷を受けるかによって、症状は大きく異なります。記憶をつかさどる部分が損傷されれば記憶障害が、言葉を理解したり話したりする部分が損傷されれば言語障害が現れます。このように、脳血管性認知症では損傷部位によって様々な症状が現れるため、認知機能の低下にばらつきが生じやすく、結果としてまだら認知症の状態が見られるのです。 認知機能の低下にむらがあると感じた場合は、自己判断せずに、専門の医療機関を受診することが大切です。医師は、問診や認知機能検査、画像検査などを通して原因を詳しく調べ、適切な診断と治療を行います。早期発見、早期治療によって症状の進行を遅らせることができる場合もありますので、気になる症状があれば早めに相談しましょう。