脳外傷

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医療

高次脳機能障害について

高次脳機能障害とは、脳に損傷を受けたことで起こる、記憶や言葉、思考、行動といった機能に障害が現れる状態のことです。脳卒中や交通事故などが主な原因で、目に見える外傷がない場合も多いため、周囲の理解が得られにくいという難しさがあります。 この障害は、脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血といった脳の血管の病気や、交通事故による頭への外傷などによって引き起こされます。これらの出来事によって脳が傷つくと、神経細胞の働きが妨げられ、色々な認知機能に影響が出ます。 高次脳機能障害の症状は様々です。物を覚えるのが難しくなる記憶障害は、電話番号や人の名前、約束などを忘れてしまうといった形で現れます。また、言葉の理解や話すことが困難になる言語障害では、相手の話している内容が理解できなかったり、自分の言いたいことをうまく表現できなかったりします。 さらに、計画を立てたり、実行したりすることが難しくなる遂行機能障害もよく見られます。例えば、料理の手順が分からなくなったり、買い物をスムーズに済ませることができなくなったりします。また、周囲の状況を理解するのが難しくなる注意障害もみられ、一度に複数のことを行うのが困難になったり、気が散りやすくなったりします。 これらの症状に加えて、感情をコントロールすることが難しくなったり、性格が変わったりすることもあります。急に怒りっぽくなったり、無気力になったりするなど、以前とは異なる様子が見られるようになります。日常生活を送るために必要な情報処理能力が低下するため、社会生活や仕事に支障が出てしまう場合もあります。高次脳機能障害は、外見からは分かりにくい障害であるため、周囲の理解と支援がより一層重要になります。